第02話 「……仁王…どうしよう…。」 「何がじゃ?」 「シエルを目の前にして平常心を保てるとは思えない!!」 自他ともにショタコンを認める撫子には辛い環境だろう。 「……あぁ…それは仕方ないの。我慢じゃ我慢。」 「グゥッ!!メイドになれたのはいいけど…坊ちゃんに粗相をしたらセバスチャンに殺される。(嫉妬的な意味で)」 「…や、それなら自分が絡むよりもそのシエルとセバスチャンとが絡むところを見学したほうがええんじゃなか?」 「あ、仁王頭いい!! ……そういえばさ…この話のあと、何か知ってる?」 神妙な雰囲気にテンションを変える。 「あぁ…。」 「グレル…の話だよね。」 「俺らはマダムの話を知っていながらも…阻止できんのんじゃろうな。」 「うん…滝が言ってたことが正しければ、ね。」 「まぁ、そう気にしなさんなって…それが来てから考えればええ、それまで楽しむぜよ。この世界を、」 「…お、おぉ。 そうだね、これからニナさんのデザインした服に身を通せると思ったらテンションあがってきた。」 「ここ!?ここなのね!!15歳に満たない美少年と美少女が居るっていう部屋は!!!」 扉が開かれた。 目をやると季節を告げる仕立て人、ニナ・ホプキンスが立っていた。 「「!?」」 「っきゃー!!なんていい素材を持ってるの!? ミスター石頭に紹介されたっていうのが気に入らないけど…許す、許す、許しちゃうー!!」 光のような速さで二人に駆け寄ったニナ。 仁王と撫子を交互に見比べる。 「えー…テンションこんなに高い人だったかな?」 「椿崎が禿げ萌えてるときと同じようなテンションじゃ…。」 「マジか…私今度から少しでも自重できるように頑張るわ。」 第三者の目から自分のテンションを見たらこれは酷い。 「おん、是非そうしてくれ。」 「何々?二人とも、何を話してるの?」 「「いえ、別に。」」 「あら、あなた達似てるわね。目つきが鋭いところとか。身長もそう変わらないんじゃない? それよりもそこのあなた!!」 ビシィ!!と指をさされる。 「私が何ですか!?」 「あなたも最先端を行っているのですね!!」 「は、あ?」 「足を露出することも厭わない、動きやすさをリスぺクトしているのね!!」 「ハァ…まぁ…。」 「それにこんなに綺麗な黒髪…日本人なのかしら?そっちのあなたもなんて珍しい銀髪をしてるのかしら!? フフフこのまま採寸させていただきますわ!!」 「「…はーい。」」 そのまま採寸の時間となり、少し仕事モードになり冷静になったニナと会話をした。 自己紹介から始まり最終的には少年と少女の良さについて討論を始めた撫子とニナ。 二人はソウルメイトと言っても過言ではないくらいの親しさになった。 無論、ショタコンでない仁王はひたすらアウェイな空気を感じることになった。 採寸も終わり少し休憩。 「雅治って本当に線が細いのね、その身長からしたら伯爵並よ?」 「そうかの…あんま気にしとらん。」 「チッ、私のデブンとした体格が丸分かりじゃないのさ、ニナさん誰にも言わないでくださいね。」 「あら撫子も恥じるべきプロポーションじゃなくてよ?むしろ誇るべきプロポーションよ。 二人とも完璧よ。なんて素晴らしい逸材なのかしらッ、撫子貴女は足を晒すことは平気なのよね!?」 「えー…はい。まぁ…。」 ニナは答えを聞くと荷物の中から紙とペンを取り出し、型紙を書き始めた。 「フフフフフフッ良いわ、来たわよ!!イマジネーションの泉が漲ってきたわ!! 折角二人は似ているもの!!同コンセプトにするべきよね!!あぁッ髪の色も黒と白!!完璧じゃない、服も白と黒を基調とした物にしましょう!!他の色なんて一切使わずに!!でもあなた達髪括ってるわね、髪留めに好きな色を入れてもいいかもしれないわ。 あなた達はなんの武器で戦ったりするのかしら!?」 ファントムハイヴ家の使用人たるもの、戦えないでどうします?という勢いだ。 二人はとっさによく使う攻撃を言った。 「あー…私は蹴る。」 「俺もじゃ、手をやってもうたら洒落んならんからの。ま、足も同じことじゃがな。」 「素晴らしい!!では足が簡単に上がりやすいものにしましょう!!雅治の方は裾に刃物でも仕込めるように布を余らせましょう!! 撫子の方はスカートの下に履ける短いハーフパンツを作りましょう、それなら足をあげても大丈夫!! …ミスター石頭対策にスカートの上には黒いレースの生地を纏わせましょうか。あ、あとブーツには殺傷能力高めに作っておきましょうね! そして…ガーターベルトを使わずともしっかりとその位置で止まるよう絞めつけのあるストッキングも用意するわ!!勿論黒よ!!あ、片方が白でもいいかもしれないわ!! どう!?あなた達!!このデザイン!!」 「ニナさんにブン投げしまーす。」 「激しく同意。」 「じゃ、仮縫いするわね。」 [mokuji] |