青春トリップ!!?  | ナノ


並列世界に行ってきた その2


「よいしょー!無事トリップ完了!!今回のお供は…え……。」

「ふー、上手くいって良かった。」
「へぇ、僕自身がこっち来るなんて…あ、カメラ壊れてないかな。」
「流石滝君、面白事考えるよね。」

「なんで!?なんで君たちなのかね!?」

とりあえず魔王三人衆ではないと思っていた撫子だったが、予想を反して見事に魔王三人衆とのトリップとなってしまったようだ。

「んー、だって今回の世界は面白い世界って言うかね。僕が一目見たいと思ってた世界だし。」

「何の世界なのかね?」

「説明するより見せた方が早い。撫子、ここ何処だかわかる?」

「ん?……え、氷帝テニス部レギュラー専用部室…ハッまさか!!」

「そのまさかだったり。
…こんにちはー。こっちの世界の皆さん。」

撫子の心の準備が出来る前に滝は容赦なく部室の扉を開けた。
そこにはテニス部レギュラーが勢ぞろいしておりミーティング的なものをしていた。
いつもと変わりない風景な気がしたのだが何やら違和感がある。

そして沈黙を破ったのはこっちの世界の撫子の悲鳴。

「きゃぁあああああ!!!私のドッペルゲンガァア!!私死ぬの!?え、滝も居るよ!?私達死ぬわけ!?」

標準装備な向こう側の撫子。
撫子に国境は無いようだ。

「し、知らないよ!僕だって驚いてんだからさぁ!!」

予想外なことに対してとても焦る向こう側の滝。
しかしながら黒さが見当たらず純粋にこれはこれで恐怖(萌え)である。

「あー撫子がもう一人居るC。何?俺と遊びたいのー?」

とてもプレイボーイな向こう側のジローである。
昼に眠い=夜遊びしていますと言ってもこの場合は現実味を帯びている感じである。

「ちょ、ジロー!なに速攻で訳の分からない私のドッペルを口説いてんの!?怖くないのかね!?」

「E女は口説くに決まってんじゃん。」

「少しは自重して。」

「そうだぜ。女がそう簡単に口説かれて落ちると思ったら大間違いだ。少しは考えて口説くなら口説けよジロー。」

ちょっと待て、穴戸…こっちのお前はキス如きで長太郎の名前を心の中で叫ぶほどだっただろう。
とういう事だ。これは拒否する。私は拒絶したい!!

「宍戸さん。その魅力のない外見で女性を落とすなんて気持ち悪いことしないで下さい。」

長太郎…が宍戸に対してとても辛辣である。
ここの世界は鳳×宍戸の方程式が、公式が、崩壊しているとでも言いたいのか。
しかし、この世界にはけんカップルと言うものがあってだな。

「んだと!?長太郎テメェ先輩に向かってなんてこと言ってんだ!」

「ただの日本語ですけど何か?」

「五月蠅いですよ皆さん。こういう時はまず紳士として女性と来客の方にはお茶を出すと言う事をしましょう。
因みに俺としてはとても歓迎しますね。」

日吉が紳士的である。
とりあえずこっちの世界の日吉は地球外生命体に出会ったら不躾に「宇宙人ですか?」とか聞いてきそうであるのに、お茶、だと!?

「か、樺地っなんか怖いの来たッ!」

そしてなんといっても跡部のこれ。
これはなんだ、俺様成分が0.0000000000001%も感じられない。

「そう…ですね。跡部さん、少し話しかけてくれば、いいです…よ。
怖い、怖い言ってるだけでは…跡部さん、成長…しませんよ。」

跡部に絶対服従のはずの樺地が跡部に対しての発言がとてもドSである。
助けてくれと言ったオーラを発しているにもかかわらず、特攻してこいと樺地は言う。

「う…あ、アーン?お、お前らッ誰だよ、いや…誰ですか?何故…滝と椿崎と同じ姿をしてる、んですか!?」

樺地の言葉を受け止めた向こう側の跡部は意を決したように撫子達に問いかけてきた。
しかし、実際俺様である跡部を日常に見ている撫子はこの跡部が小動物と言うのがとてもあれである。

「跡部キモォオオオオオ!!!」
「跡部萌えェエエエエエ!!!」

「「…え?」」

同時に二人の撫子は叫んだ。
しかし、叫んでいる内容は全く違う。

「「「へぇ…。」」」

三人衆も意味深げに呟いて滝がもう一人の滝の方へと近づいて行った。
そうしたらもう一人の滝の顔がみるみる半泣きになっていっているではないか。

「な、ななっ何!?え、何で?僕、え?」

「ふーん…。」

顔がとても近くなっている。
こっちの滝は笑顔100%でニコニコしていて向こう側の滝は今にも泣き出しそうである。

「キャァアアアアア!!滝が二人ィイ!!萌え!癒されるぅうう!!ね、もう一人の滝!ハグ!ハグさせて!!眼の保養だわぁ!!」
「ギャァアアアアア!!滝様が二人ッ!?怖ッ!戦慄しかしねぇ!!死亡フラグッ!死亡フラグを回避できる人、今すぐ挙手!!」

「「……え?」」

「「…もう一人の私よ。先ほどから意見が食い違っているように思うのだが、何故?」」

「「……。」」

「滝は魔王三人衆の一人で黒魔術が使えて、滝マジ魔王様、最恐なお方でしょう?」
「滝は王子三人衆の一人で白魔術が使えて、滝マジ大天使、癒される子でしょう?」

「跡部は俺様何様跡部様で、超傍若無人で、ちょっとツンデレで、私の癪に障る人でしょう?」
「跡部は僕様何様跡部様で、テラ小動物で、かなりのデレデレで、私の萌えの権化でしょう?」

「…忍足はロリコン脚フェチ伊達眼鏡野郎で、残念なイケメンでしょう!?」
「…忍足は熟女好き手フェチガチ眼鏡野郎で、かなりイケメンでしょう!?」

「ッ鳳と宍戸は公式CPで、はいはいまたお前らかって感じで、すすろさぁあん!でしょう!?」
「ッ鳳と宍戸は隠れCPで、ケンカップルの代表かって感じで、宍戸さんタヒね!でしょう!?」

「「……ぇぇぇえええぇえええぇえ!?」」

「「「アハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」」」

意見が完璧に食い違う二人の驚きで、魔王三人衆は大笑いをかます。
それからお腹を抱えながらまだ笑う。

「俺達が王子三人衆で白魔術だって、聞いた?」

「聞いたよ。フフ、しかもあの跡部が小動物って!!不二君、写真頼める?」

「うん、いいよ。跡部君そのままそのまま、目線こっちね。あぁ、笑顔とか作らなくていいからその泣き顔撮らしてよ。弱み握りたいから。」


「あ…だったら半泣きの滝様も……写メっておこうかな。」

弱み、と言う部分に撫子は惹かれて向こう側の滝を写真に残そうとした。
しかしながら上手くいくわけもなく、

「撫子、それやったら黒魔術を食らわすから、物理的に。」

「はい!すんませんしたぁあ!!」




―――――――――
500000hit企画大40弾
腐り堕ちた銀の月「主以外のキャラの性格が反転した世界にトリップ」
アリス様「もう一つのテニプリの世界へトリップでそこには性格が真逆なキャラばかりで黒属性大爆笑」でした。

文字数地味に頑張ったww

氷帝縛りは無かったのですが、何故だか氷帝しか出てきませんでしたね…すみません。
しかし…忍足と岳人…どこ行ったんだろう。
いやいや、その場には存在している訳であって、性格を反転し辛かったとかそんなんじゃ…←

…とりあえず、反転の基本を載っけておきます…。


忍足 熟女好き
跡部 小動物
ジロー タラシその@
岳人 男前
宍戸 タラシそのA
鳳 俺様
滝 真っ白
日吉 紳士
樺地 ドS

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[mokuji]