戯言シリーズの世界に行ってきた 3 じゃ、次は墓参りと言うことで、半登山。 寺まで整備されている道を登っていきます。 それからお墓詣り、 しんみりとした空気を撫子が珍しく醸し出し、人識もまた黙った。 「そろそろ帰っか?」 「…うん。」 通ってきた道は人通りはあまりなくて、 でもまったく無いと言う訳ではなかった。 数人とはすれ違った。 それもまた過去形。 だって、もうすれ違った人、…物は身動き一つ出来ていないのだから。 「おい…撫子………。」 「………………。」 「撫子!!」 「はっ!?」 「お前はまたやりやがって。」 「あー…またやりやがったか……。 ま、気を取り直して墓参りぃ!!」 「いや、それさっき行ってきたから。これからいーちゃんに会いに行くからな。」 「ぐ…また私はやらかして、重要なところで…ッ!! …いーちゃん、に会えるなら我慢…く……っ。」 「まぁ…行ったことは事実だから気ぃ落とすなって。 念願のいーちゃんに会えるんだからよ。」 「…うん。」 呼吸をしてしまったようで記憶が無い。 何時の間に零崎化してしまったんだろうね。 ま、呼吸しないと鬼も生きていけないから仕方ない仕方ない。 「あ、人識よ。」 「今度はなんだ?」 「人識といーちゃんが出会った鴨川河川敷に行きたい。」 「あー?そんなとこ行ってどうすんだ。」 「勿論、聖地巡礼さ!!写真もビデオも撮っちゃうよ!!」 「…そうか。」 と言う訳でいーちゃんに接触を図る前に河川敷にやってきた。 「ここで人識はいーちゃんとランデブーしたのね。 あぁ、ここから零僕零の伝説は始まったのねぇえ!!!」 「伝説って…別に、欠陥製品を殺そうとしてミスっただけで…。」 「何でミスったのかな!?なんでミスったのかな!?実は好意を抱いていて『あ、やっぱり殺せない!』みたいな展開になったんじゃないのかな!?むしろそれを所望する!!」 「んなわけねーだろ!!」 「んなわけあってほしいわけですよ!!」 「意味分かんねぇよ!!」 「あれ?零崎と…誰?」 「「…いーちゃん?」」 「橋の下で言い争ってる人は誰だろうと思って僕の野次馬精神を発揮させたのが間違いだったかな。 僕はもう行くから続けてもいいよ。」 零崎の姿を視界に入れるなりいーちゃんは退場しようと階段を上っていく。 「ちょちょちょ、待って下さいよ!!今回の旅の目的!!」 「……お姉さん誰ですか。」 「椿崎撫子の最近生まれたばかりの零崎だぜ!」 「零崎…僕を殺さないでよ?そこの零崎みたいに斬りかからないでね。」 「勿論!何故自ら萌えCPを潰す行為をするもんか!! あ、でも仲を引き裂く死ネタにはいいかも。ま、その時は一発で総頸動脈ひっかけて切って苦しまないようにしてあげるから安心して!」 「なぁ、ちっこい零崎。このでっかい零崎…君より危険?」 「いや…冗談で言ってるだけだから、…多分。」 「ふーん。で、僕になんの用だったの?椿崎さん。」 「え?……ただ会いに来ただけ。と人識の資料集め?みたいな。」 「資料?」 「うん、いーちゃんさんよ。人識の事どう思ってますかい?」 「ハ?…単純に鏡、だとは思ってるけど……。」 「その言葉だけでも実にご馳走様です!! 鏡、素敵!!良い様に解釈できるから好き!やっぱり次は鏡ネタのパラレル、シリアスで行こう!! ありがとう!新刊これで書ける!!」 「…はぁ、お役に立てれてよかったです。」 「よし、こうしちゃ居れねぇ!人識帰るよ!!舞織ちゃんにもネタを提供してさっそく原稿に移る!!」 「あー、はいはい。 じゃ、欠陥製品。あばよ。」 「はいはい、もう会うこと無い事祈っておくよ。」 「私はまた絶対来てやるから!!次は友ちゃんにも会いたいな!またねー、アデュー!!」 撫子は軽やかなステップを踏みながら駅を目指す。 帰宅して原稿を黒く染め上げてやるぜ!! 「おーっと待ちな!そこの零崎兄妹!!」 「「!?」」 二人の頭上から降ってきたのは真っ赤な服を身に纏って、なにからなにまで赤い請負人。 オーバーキルドレッド。 人類最強の請負人。 哀川潤だ。 「女の方の撫子ちゃん、お前私の親父をフルボッコにしたんだってな!!」 「え、あ…はい、まぁ…しました?」 「なんで疑問形なんだよ。してたじゃねーか。」 「やー、よくやったよくやった!私じゃあいつは娘がじゃれついてきただけだっつって聞きゃぁしないんだ。」 「あー…確かに人識の嫌がらせも双識さんにとってはただの可愛らしい悪戯になっちゃうもんね。」 「今の人類最強の心境に俺は激しく同感する。」 「そうだ、こんな世間話をしにお前らを呼び止めたんじゃねーんだわ。」 「え、じゃぁなんの用ですかね。」 ケタケタ笑っていた哀川さんの表情が神妙なものになった。 「撫子、お前滝によってこっちの世界に来てんだろ?」 「!?…はい。」 「でも、零崎だからってことでこっちに来た。んで、制御できていないと。」 「…はい。」 「お前自身は帰りたい。」 「はい…ッ!!」 「私はお前の零崎化をコントロールさせて、あっちの世界に戻すことを請け負ってる。」 衝撃の事実だ。 こちらに来て半年以上。 一向に帰ることが出来ないから諦めていたのに、ここに来て前の世界に帰ると言う希望が見えてきたなんて。 「なん…だと、ぉ!?」 「とりあえず、撫子。私の娘になれ!!」 「テラ喜んで!!」 「ちょっと待て!!人類最強!お前、零崎と関わること嫌いじゃねーのかよ!!」 「撫子はあれだ、別だからノーカン!!」 「ダメだダメだ!撫子は俺の妹で家賊だ!!」 「やだっ、人識!無駄にときめいちゃうじゃない!!」 「じゃーしかたねぇか。 ま、当分撫子には私と行動を一緒にしてもらうからな。 んで零崎を制御しような。」 「イエッサー!!」 ―――――――――― 500000hit企画第11弾 悠P様リクエスト「戯言へトリップの続編/ギャグ」 留威様リクエスト「続き/戯言使いと人類最強に会った話」 きくらげ様リクエスト「続き/13階段の皆様(主に狐さん、出夢*理澄兄妹とキノラッチ)の絡み」でした 三人も続編を希望して下さるだなんて思っても居なかったので、嬉しい限りでした!! 調子にのってちょっとだけ…かなり長め。 ただ、狐さんの扱いは謝りたいですね。原作ではあんなにカッコよかったのに…なんでここではこうなってしまったのか…本当に申し訳なかった……oyz [mokuji] |