並列世界に行ってきた 撫子は只今部室で正座中。 目の前には呆れ返っている滝が居る。 そして周りには同じように呆れ返った顔で見ているメンバーがいっぱい。いい晒し者だ。 しかし、何故このような事態になっているのか。 「撫子?君がやった事、やっちゃいけないことだって、僕言ったよね?君、なにやった?」 「……プーン…。」 「撫子?」 「…(滝→)鳳×宍戸を書いてしまいました。 だって!だって仕方ないじゃん!!宍戸がレギュラーでシングルやってた時、滝と鳳がダブルスを組んでいたと言う仮説が私の脳内を駆け回って、自重できなかったんです!!」 「でも止めてねって、言ったよね?」 「……。」 「言ったよね?」 「…ハイ。」 滝は撫子の返事を聞いて頭を抱える。 そして手を撫子のデコに持っていった。 「ハァ…懲り無いようだから、今回はきつめのお仕置きだよ?ちょっと行ってきな。 ハーイ、デコピーン。」 「え?グハァッ!?」 強烈なベチィインと言う音が撫子のデコから発せられ、撫子の意識はログアウト。 ―― ――――― 「――ん………ぅん?」 撫子が目を覚ましてみると。 そこは教室で、時間を見てみると2時間目が終わったあたり。 どうやら撫子は机に突っ伏して寝ていたようだ。 「なんだ、なんだ、滝にばれたのは夢だったのか。いやー…怖った。 ちょっと忍足聞いてよー。さっきテラ怖い夢見ちゃってさぁ。」 「………………。」 撫子が気を紛らわせるように隣の席の忍足に話を聞いてもらおうとしたが心を閉ざしながら恋愛小説を読んでいるようで撫子の声が届いていないようだ。 「私を無視とか忍足のくせに生意気だ!!」 撫子は忍足が読んでいた本を奪って無理やりこっち向かせるようにした。 「!?…なんや、椿崎さん。俺になんのようや?」 「え…、今忍足、私の事椿崎って呼んだ…?」 「ハ?やからなんや?可笑しゅうないやろ。クラスメイトを苗字で呼ばんと…何で呼べばええんやって話になるやん?」 「……わ、私をただのクラスメイト扱い…?ちょ…え?ギャグ?それ、ギャグ?残念ながら精神的にメッチャ来るから止めてくれないか?」 「何を訳分からんこと言っとるんや。 俺、小説読みたいから返してくれへんか?」 「あ、うん…ゴメン……。」 撫子は納得出来ないがなんかこの忍足は怖いので従っておく。 いつもよりポーカーフェイスの使用率が高い。 「…さっき自分が寝とった時間のノートは貸したるから。 しかし、交換学生様も授業中に寝てまうやなんてしゃーないなぁ。」 「あ…うん、ありがとう……。」 撫子は変に無表情で、変に優しい忍足に戸惑いながら3、4時限目を受けてそれから昼休み。 どうなっているんだ、と撫子は未だに浄化不良だったので校内探検。 「……ホント、どうなってんのさ…。」 中庭に到着、 そこにはベンチに横になって寝ているジローが居た。 いつもの様に癒しを求め駆け寄る。 「ジーロォオ!忍足がさぁ、私の事他人呼びしてきて私の豆腐メンタルはオカラだよぉお!!」 「…んあ?……オメェ、誰?」 ジローが撫子の声で覚醒し、目を擦りながら答えた。 「え?」 「えっとー…一回どっかで見たことあるんだよねー……あー!確か田舎学校から来た転校生!!」 「!?」 「岡山、だっけ?ちょっと方言喋ってみて欲しいC。田舎!田舎!」 「ッ……ジ、ジローの腹黒ォオオオ!!!岡山市だって私にとっては都会だバーロー!西口なんて近未来的なんだぁ!!」 ジローの怖さを垣間見て撫子は逃げ出した。 田舎学校て…田舎学校て……東京から見たら田舎だろうが、政令指定都市なんだぞぉおお!!!! というか東京から見たら東京以外が田舎なんだろぉお!? 「なに…なんなのさ……夢?コレ、夢かね?…痛い。」 ホッペを抓って見れば普通に痛かった。 とぼとぼと自分のクラスに向かっていると今度は日吉と出くわした。 「あ、日吉…。」 「椿崎先輩、こんにちは。 今日の公演、楽しみにしていますから。」 「ハッ!?」 「前回の講演会にも参加しましたが、今回のプロジェクト大変興味深いです。」 「ひ、日吉が…辛辣じゃない…だと!?」 「辛辣?先輩に対して辛辣にするのはテニス部だけですよ。」 「そ、そっかぁ…日吉君は上下を弁えてるんだねー。うん、素敵なことだよ。じゃ、その講演会とやらで会えたら会いましょう!!」 ひ…日吉が、別の意味で怖い!! あんなに優しそうな日吉、怖い!あの子は辛辣毒舌ツンデレキャラなんだぁあ!! 撫子が自分の教室に戻り、椅子に座って頭を抱える。 「撫子さん。ちょっといいか?」 声がかかった。 「ん?なんでしょ…う?」 顔をパッとあげてみたらそこに居たのは跡部。 もしかしなくても、撫子さんと呼んだのは跡部な訳で、 「教頭が撫子さんに用がると言ってたぜ。職員室だ。 ったく、俺様をパシリに使うなんて教頭の癖に…。」 「あ、……ありが、とう…。」 もうこの程度では驚かないぞ。 さっきの日吉並だから、慣れた!! 「撫子さんももっと早く東京に来れば良かったな、そうすればお前のその優秀な頭脳を評価されて世界へと言う道もあっただろう。」 「そ、そかな? わ私、教頭のとこに…。」 椅子から立ち上がる。 「あぁ、そうだ。教頭に言っておいてくれ。」 「…何を?」 「俺をパシリに使っていのは撫子さんだけだってな。」 「!?くぁwせdrftgyふじこlpフゥ…。」 跡部のあんまりな言葉を聞いて撫子は立ちくらみ。 いや、仕方のない事だと思うよ。 ――――― ―― 「優しい跡部テラきめぇえええええええええ!!!!」 「うわ!?撫子がいきなり目ぇ覚ましよったで!?」 「え、え…?え?」 「もー…撫子ってば僕のデコピンで気絶するとか貧弱すぎるんじゃない?」 「だったら…さっきのは、夢?」 「どんなん見とったんや?」 「いや…うん、そこら辺のホラゲより怖かった。」 「ふーん…なぁ、跡部、撫子が起きたようやけ部活始めようや。」 そんな忍足の一声でメンバーが部室の外へ出る。 撫子もさっきの出来事は夢、で悪夢で、と言う訳で心の整理をつける。 その時滝が撫子の横を通って行った。 「次、僕で妄想したらその世界へ永久トリップだからね?フフッ…。」 「!?」 ―――――――――――― 500000hit企画第10弾 新様リクエスト「主が何かやらかした罰で滝様に青春主の存在しないパラレルワールドに飛ばされてしまう」でした。 こんな感じですかね。一応書き始めは原作キャラ通りに…と思っていたのですが、 ジローからすでにキャラ崩壊してしましました。 特に跡部…嘘でもいいから主に一度でもデレて欲しかったんです!!← あ…ここまで書いて気が付いてしまった…ナチュラルに主が存在してた…orz あれです、主はモブとして存在していたのです。 忍足とも関わらず、ただひっそり?と交換学生を← …すみませんでした。リク通りになりませんでした!! もしお気に召さないならば、書き直します!! [mokuji] |