ONE PIECEの世界に行ってきた 「ぎゃぁあああああああああ!!!落ちてる!落ちてる!!私落ちてるぅう!」 撫子は只今トリップなう。 学校から家に帰ろうとしたら、にいきなり滝に「ちょっとお使い行ってきて」と言われて強制さらば三次元。みたいな? そして今回は一人らしい。だってただのお使いだから! 一人でトリップとか心細いにもほどがあるだろう。 しかも落下中、 幸いにも下は海。 …幸いなのか? 「いやいやいやいやいやいやいやいや、海に打ち付けられたら流石に痛いって!!私飛び込み選手違う!パンピ!パンピ!!いや、腐ってるけどぉお!!」 地表に近づけば目標落下地点の傍に船があるではないか。 助けを求めて…。 「って甲板に当たる方が死亡フラグじゃねーの!!どけてぇええええええええッブ――。」 大きな飛沫をあげて海に垂直落下。 甲板には上陸しなかったらしい。 水面に打ち付けたとこは痛いが、命があるだけでも奇跡である。 「ッいってぇぇぇ………やべぇよ、やべぇよ。周り海しかねーよ。陸ねーよ。鮫居んの?こえーよ。ちょっと…誰か助けてくれねーかな……。」 「おーい…大丈夫かぁ?アンタ、生きてるかー?」 こちらから姿は見えないが、船の上から声がかかる。 どうやら乗組員が撫子の存在…と言うか落下物を目視出来ていたらしい。 「生きてますー、ちょっと助けてくださいませんかー?」 「待ってろ、今ロープを降ろしてやるから。」 降りてきたロープを掴んで引っ張り上げてもらう。 そしてやっと足で物を踏みしめることが出来た。 「あー…助かった。ありがとうございまし……た。」 「いやいや、いいってことだよい。な、サッチ。」 「おうよ!」 「……え…………ぇえええええええ!?な、白ッ白ひげ海賊団!?」 どうやら撫子がトリップした世界はONE PIECEの世界だったようで、 この船は天下の海賊、白ひげ海賊団の船だったようだ。 「なんだ?そんなに驚くようなことかよい。」 「というか、俺らの方がお前に対して驚きが隠せないぜ、どうやってあんな空から降ってきたんだ?」 「あー…話せば長くなる…のでちょっと待ってください。」 撫子は指令を確認しようとポケットを探す。 もしかしたら指令の内容が『トリップってばれずに過ごす事』みたいな内容だったらつむから。 そして登場した指令書。 しかし海で濡れ何が書いているのか分からない。 インクが滲みすぎている。 お使いって言ってたから時間制限なものではないと思うけど、 というよりお使いって何かを手に入れて帰って来いって事だよね…? なに!?まさかワンピース…とか!? あ、これつんだ。 絶望に打ちひしがれる撫子。 帰れないの…か? というか、帰れなかったら私神隠し。 私の家の家宅捜索、そしてバレるウフンな持ち物たち……。 「のぉおおおお!!」 「「!?」」 「ど…どうしたんだよい?」 「マルコざんんん、聞いでぐだざいー。あどサッチも…!!」 「なんで俺はおまけ扱いなんだ。」 と言う訳で身の上話を始める撫子。 納得するかどうかは置いておいて、もう海で濡れている顔をさらに涙でグショグショに濡らす。 年相応な反応だろう。一応こんな成りをしてても中学三年。 まだまだ子供です。 「あー…それは災難だよい。」 「この紙切れがなぁ……なぁマルコ。親父に言ってみないか?俺たちの家族にしたら撫子も寂しい思いしなくて済むだろ。」 「それは、撫子に言ってみねぇと…どうだ?俺たちの家族になってみるか?」 「ズッ……うん。」 「だったら話は早ぇ、さっそく親父のとこに行こうぜ!!」 「ありがとうございます。」 甲板から移動して撫子の目の前には白ひげが居る。 「親父ー、赫々云々――って感じなんだけど、家族にすることって出来るかよい?」 「グララララ!面白い娘が落ちてきたもんだ! いいだろう、俺の娘にしてやる。撫子・椿崎つったか?俺の娘になれ!!」 「ありがとうござます、ありがとうッございます!!」 撫子がこの世界でたった独りだけではなくなった瞬間だった。 ――――― ――― 「撫子ー!テメェまた俺の肉を食いやがったな!?」 「フハハハハハ!!エース!学習能力がないとはこのことだよ!!私は目の前に美味そうなものがあったら誰のものでもかっ攫うぜ!!」 只今食事中。 撫子が家族になって数か月。 色々と自重しなくなって、実にカオス。 「エースまた食われたのか。折角俺が作ってやった料理なんだけどな。」 今日の料理はサッチが作ったものでたいへん美味に出来上がっております。 「俺のせいじゃねーよ!撫子が奪って行ったんだ!!」 「この鶏肉だって私に食われた方が幸せなんだよ!な、サッチ!!」 「かもな!」 「同意してんじゃねーよ!!」 「ハッ!?まさか、此処まで鶏肉に固執するだなんてッエースこの鶏肉をマルコさんだと思ってるから!?」 「なっ、この鶏肉はマルコだったのか!?サッチ!なんてことをしたんだ!!」 「俺はッなんてことをしちまったんだ!!マルコォッ!」 「マルコさんッとてもジューシーでした。マルコさんの肉の食感は一生忘れません!」 「お前らいい加減にしろよい。」 「「「イデェッ!」」」 後ろから頭部に衝撃が走った。 振りかえれば眉をピクピク動かしているマルコの姿があるではありませんか。 「……アララララ、マルコさんいらっしゃったのですね。」 「居ちゃ悪いかよい。町から帰ってみればこれだ。撫子は俺をそんなに殺したいのかよい。」 「いえいえいえいえいえ、滅相もない。ただ私はマルコさんとエースさんがイチャゲホンゴホン、エースさんとが私の目の前で仲良くして下さったら嬉しいだけですけど?」 「今、何を言いかけたよい?」 「何でもいいじゃんか!聞いても損だよ!!私の脳内末期だから!!」 「損かどうかは俺が聞いて判断する。撫子、喋った方が身のためだよい。 いい加減言動を自重してもらおうかと思ってた時だ。タイミングが実にいいじゃねーかよい。」 「そーだそーだ!マルコにナース服着さしてんじゃねーよ!!視界に嫌でも入れなくちゃならねぇ俺らの身にもなってみろ!!」 「黙れエース!お前におっさん女装の良さが分かってたまるか!!筋肉すげーんだぞ!絶対領域から見える筋ばった筋肉だぞ!!萌え萌えじゃコルァア!!!」 「エース!お前も俺の古傷を抉ってんじゃねーよい!!」 「あれはマルコさんが私との賭けに負けたからじゃんか!! ……イゾウー!ハルター!!私の癒しぃい!助けてェエ!!」 「残念だったなー、その二人なら俺と入れ替わりで町に行ったよい。」 「なん…だと!?私も一緒に行きたかったぁああ!!ド畜生!!!」 「助けは来ないよい!!」 「いや、趣旨変わってねぇか!?」 逃げる撫子と追いかけるマルコ。 狭い船の中で器用だな。 そして撫子が逃げ込んだ先は白ひげの元。 「親父ー!マルコがぁ、怖いよー!」 「グララララ、また追いかけっこしてんのか。飽きねぇなぁ。」 「飽きる飽きないの問題じゃないのー!!」 「親父、撫子を渡してくれねーかよい?」 遅れてきたマルコが白ひげにくっついている撫子の身柄をこちらに渡す様に要求してきた。 「撫子は嫌がってる様だが、今度は何をした?」 「撫子とエースとサッチが鶏肉を俺に見立ててなんかよく分かんねーことしてたんだよい!!」 「私のお茶目っ気ですぅ!末っ子の撫子ちゃんの茶目っ気ですぅ、許してくださぁい!」 「…だそうだ、まぁ、なんだ…末っ子の悪戯も兄が受け止めることも必要だなぁ。」 「きゃーん、親父、話を分かってくれるぅ!好き好き大好き愛してるぅ!!」 「あー!撫子、親父から離れやがれ!!」 「嫌でぷー。親父から離れたくないですー。親父マジ惚れる!!」 「独り占めしていいと思ってんじゃねーぞ、火拳浴びるか!?コラァア!!」 「キャー、親父ーエースおにいたんが怖いぉー。」 「兄妹喧嘩か、死なねぇ程度にやればいいぞ。」 「え、ちょ、マジで? 私死ぬじゃん、私能力者違う!!」 「親父からの許しを得たし…覚悟しろ撫子!!」 「ノーサンキュー!!」 …撫子vsマルコだったはずなのにいつの間にか撫子vsエースの戦いにすり替わった。 モノを壊さない程度に暴れる二人。 その様子を生暖かい目で見つめる白ひげとマルコ。 「いいのか?参加しなくて。」 「あー、いいんだよい。なんかバカらしくなってきた。」 「撫子は何も考えずに周りをいい意味で巻き込むからな。」 「あぁ、この船の中も前よりも賑やかになりやがったよい。 …ちょっと騒がしすぎるのがたまに傷だけどな。」 「そうか?俺は丁度いいがな、グラララ!」 「……親父がそう言うなら、その通りなんだろい。」 ――――――――――――― 400000hit企画第1弾 和泉様リクエスト「ONE PIECEの白髭海賊団へトリップして隊長さんたちとギャグする話」でした。 実にすみません。口調、キャラが不明すぎてすみません!! 一応これでも勉強したんです…ピクシブ覗いて、ウィキ先生覗いて、創作サイト様を覗いて………ワンピース好きな友達にも聞いてみて…。 そしてこんな物に、なってしまいました。 知らないジャンルだと、あとがきが謝罪文になってしまいますね。 本当に、謎な物ですみませんでした!! 因みにお使いとは「幸村君が白ひげのサインが欲しいんだって、だからもらってきて?」ですww [mokuji] |