お仕置きせなな?「浪速のメロスに取れん球は無いっちゅー話や!」
「はいはい。」
葉波は財前とダブルスを組んで後衛を守っている。
そして対戦相手は白石と千歳。
「五打目…葉波が自分の足に引っかかってこけるタイミングばい。」
「んなことないわ!!」
千歳が言って1、2、3、4、5打目。
葉波は無様にも自分の足に片方の足を絡めてしまってこけてしまった。
「ぅ、わッぐヘェッ!!!」
「ハァ…葉波さんダサいっすわ。」
「光っ…それが先輩に対する態度か!?」
「財前ー?口には気ぃ付けなさい。
しっかし葉波も派手にこけたなぁ、大丈夫か?」
「…大丈夫や。膝擦りむいてしもうたけど…。」
「そら大変や。消毒しときやぁ。」
「言われんでも、そうするわ。」
「葉波ー、俺が才気煥発で予告しとったからそん時、受け身でもなんでもとったらよかったばい。」
「うるさいわ!!」
「葉波ももう少し色気のある声出しなっせ。面白味に欠けるたい。」
「え?俺色気あるんか?まー葉波よりはあるかなぁ?んー、エクスタシィイ!」
「大阪人やからってそこまで面白味を求めとらんわ!!
白石も調子に乗らんといてくれるか!?」
葉波は台詞を吐き捨てて部室へと向かった。
財前もペアがいなくなると言うことは試合が出来ないと言う訳だからついて行った。
「あ!部室にある救急箱の位置変えたんやった!!
……千歳すまん、ちょっと俺も部室行ってくるわ!!」
「了解ばい。」
白石も遅れて部室へ。
そしてゆっくりと部室の扉を開けた。
「葉波ー、大丈夫か?救急箱の場所分かったかぁ?…って財前!?」
白石が見た光景は葉波が椅子に座って妖艶な笑みを浮かべていた。先ほどの葉波とは打って変わって雰囲気がまるで違う。
財前が葉波の目の前に跪づいていて葉波に頭を撫でられていた。
「白石…か。来るん遅かったやん。
俺、もう撫でるの疲れたから自分の事触ってやらんからなぁ?」
「あ、あぁ…そんな殺生なこと言わんといてやぁ。」
葉波のキャラの変化はどういう事だろう。
白石も、財前もその変化に対して驚く様子はない。
「あぁ、疲れてもうた。財前お前も終わりや。離れ。」
「…はい……。」
財前は名残惜しそうに葉波から距離を取る。
取ると言っても葉波の横に移動しただけ。
「ハァ…葉波ー、自分ずっとこのまんまで居ってやぁ。」
「俺は反対っすわ。この葉波さんを知ってるのは俺と、不本意ながらも部長だけでええやないですか。」
「まぁ………確かにな。
なぁ、葉波…俺に手当させてくれへん?」
白石が擦りむいて血が流れている葉波の膝を指差して聞く。
それを葉波はそう言えば怪我をしていたな、と思って白石の申し出を許可した。
白石は前と同じ場所にあった救急箱を取り出して葉波の前に跪いて手当を施す。
「ハ、ァ…んッぃたぁ……。」
消毒液を掛けた時に葉波から発せられた。
「ッ!?…葉波、そんな色っぽい声出さんといてや。」
「あ?お前ら好きやろぅ?こういうの。」
「ま、否定はせんけどな。……っほい、出来た。」
「流石白石、礼を言うわ。」
ニンマリ、と笑って葉波はお礼を言った。
「あぁ、葉波が俺に礼を言ってくれた…エクスタシーやわぁ。」
「さて、ここからは自分らに聞こうか。」
「なんや?…ッ!!」
「なッ!?」
葉波は目の前に居た白石の前髪をひっつかんだ。
それから横に居た財前を足で踏みつける。
「はぁ……お前らさっき俺をどんな扱いしてくれたんや?俺、傷ついたわぁ?物凄く。
財前は俺のことをダサいって?白石は俺に色気は無いって貶してくれたやんなぁ?」
「それは…ッ。」
「………。」
「お仕置きが……必要やんなぁあ?」
葉波は楽しげに微笑むと白石と財前が悦に入る。
この時を待ってたと言わんばかりに期待に満ちた表情。
「ハハハッ自分ら、これを望んどったろ?ええで、可愛がってやるわ。」
――――――――――――
400000hit企画第14弾
櫑夢様リクエスト「謙也に成り代わり/無邪気で明るくて色気が皆無/白石と財前の前では本性を出す」でした!
なんかBLチック?
地味に難しかったなぁ。なんでだろ色気あるキャラとか好きなんだけど…あ、分かった。練詠に状況表記とかの表現量が無いからか←
:ここで裏話:
実は財前に主の傷を舐めさせたかった←
流石に止めた(*^^)v
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