てにす 短編 | ナノ

趣味なんで、
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「ほら葉波ー!リョーマ様の試合始まっちゃうよー!!」

「ま、待ってよ、朋ちゃん!!」

私は自称リョーマファンクラブ会長の小坂田朋香の友人として巻き込まれ、試合の応援に来てる。
ダルいにもほどがある。
私は家でごろごろしたいんだ。なんで応援が必要なわけ?そんなの部員だけで十分でしょ。
どうせ向こうは「また来たよ、ミーハーが…」って思ってんでしょ?私はそんなキャラじゃないもん。小坂田がキャーキャー言っているだけだし、正直あのテンションについて行くのは…面倒くさい。

え、なんで一緒に行くかって?
あいつの近くに居たら私は自然に男に近づけるでしょ?
私のキャラは気弱でオドオドしているのは日常的。ドジっ子成分配合の…まぁ、男子受けするキャラ立ちだと思う。

因みに私の趣味は一人の男に気がある様に演技して、向こうが告白して来たら切り捨てる。

悪女っぽい?
ノンノン悪女違う。
ゲーム、ゲームこれはゲームだよ。ちゃんとアフターケアしてるし、他の人には迷惑かけてないし、いいじゃん。趣味に口出さないでよ。ささやかな楽しみなんだから。

「おー、お前らまた来たのか!」

桃城先輩が声をかけてくれた。

「はい!」

こいつを落とすのはー…いいや、タイプじゃないし、すぐに落ちそうで意外性がないしね。

そして私はワザとらしく周囲を見渡す。

「ははーん、竜崎は越前を探してんだなぁ!!」

「え?や、そんなことないです…!!朋ちゃ、朋ちゃん…!?」

いつの間にか居なかった。

「あー…あいつは越前を探しに行ったな。」

「わ、私朋ちゃん探してきます!!
あの、リョーマ君の出番っていつなんですか?」

「この試合が終わってすぐだぜー。」

私は桃城の言葉を聞いてその場を離れた。
試合前、だったら近くの木陰で体をほぐしていることだろう。

小坂田は単純脳してるから自販機のあるところあるとこを探していると思う。

ハハハッ単純だな。

恋する少女は行動力が凄いねぇ。



でさ…その恋の対象者を自分に落とすのって、楽しくない?

てことで今の私のターゲットは越前リョーマ。

フラグはたくさん立ててるし、後はリョーマが私に靡けばいいだけ。
私は待つだけ、あとは適当に演技をすればいいだけ。
簡単すぎて欠伸でそう。

あ…見つけた。

「リョーマ君!」

「……何?」

「えー、っと朋ちゃん知らない?」

「一緒に来たんじゃないの?」

「あの、…朋ちゃんリョーマ君を探しに行ってどっか行っちゃったの…。だから、」

「あぁ、そう。知らないよ。」

「…そっか、なんかごめんね?」

「別に、俺出番だから。」

「あ、うん。私朋ちゃん探してからリョーマ君の試合見に行くね。」

私はリョーマに背を向けて去ろうとした。

「……竜崎。」

「な、何かな?」

「俺の試合、始めから目を離さないで欲しいんだけど。」

「え、ええ…うん!」


アハハハ、嗚呼…落ちた。




―――――――――――――
200000hit企画第6弾
ゆう様リクエスト「桜乃成り代わり、腹黒設定的な話」でした。

腹黒と言うか…悪女。
うーん、成り代わりって難しい……。

名前変換少なくて申し訳ない!!


でも、腹黒さんを書くのって楽しい←


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