うっす!!(`・ω・´#)「跡部…さん。」
跡部のクラスに男子中学二年生の平均身長よりも10cm程度低い男子が訪ねてきた。
名前を樺地葉波という。
跡部の幼馴染であり、付き人である。
「アーン、なんだ?樺地。」
「迎えに…来ました。」
「そうか、…行くぞ。」
「ウス…。」
いつもの光景。
いつもの会話。
いつも跡部のクラスで繰り広げられている出来事。
いつも樺地は同じセリフを吐いて、
いつも跡部は同じタイミングで自分の荷物を葉波に預ける。
葉波は跡部の後ろをトテトテと着いて行く。
ラケットバックの重さでよろめくが、跡部はそんなことには気にも留めず、部室まで速いスピードで歩いて行く。
そんな光景もいつものことだが、いつまでたっても慣れないのが周りの人たち。
葉波のよろめく姿を見ていると、とても抱き着きたい衝動に駆られる。むしろ撫でまわしたい。
とりあえず、かわいいのだ。
膝小僧までの服がよく似合いそうな華奢な体で、純粋なお目目が愛くるしい。
声も可愛いのだが、口数が少ないため聞けた生徒はかなりの幸運である。
しかし、葉波に近づくとその生徒は氷帝学園から姿を消していた。
たしかこの前はA君が葉波とぶつかってしまっい。その後跡部と話していたのを最後に、目撃情報はない。
大方跡部によって消されたのだろう。そう思うと、その他生徒は樺地にあまり近づけないのだ。
やれ、恐ろしや。
だから葉波ファンクラブはとても規律正しい。
無節操な跡部ファンクラブとは雲泥の差、
くそ難しい入会試験に合格して、やっと樺地葉波のファンを名乗れる。
何故、わざわざ苦労して葉波ファンクラブに入るのか。
理由は葉波に話しかけられるから。
ファンクラブでない者が接触してみろ。
テニス部からの体育館裏葉波の会は免れないだろう。
スタスタと歩いて行った跡部と葉波、
すぐに部室についた。
そして跡部は葉波の背負っていた荷物を速攻で取り上げ忍足に投げた。
咄嗟に受けとった忍足はその荷物をさっさと部屋の隅へと運んだ。
手が空になった跡部はすぐに樺地の頭を撫でまわす。
「いつもいつも悪ぃな、人の目が無ければ葉波に荷物を持たせるようなことしなくてもいいのになぁ。」
「いえ!これが僕の仕事ですから!!」
びしっと姿勢を正す。
おもちゃのようでいとおかし、
「ハァー…葉波は可愛いなぁ。」
「可愛いだなんて言われても嬉しくないです。僕は男ですよ!!」
「せやなぁ、葉波は男の娘やもんなぁ。」
「うすっ!!
…ところで跡部さん、なんで僕は学校であまり喋っちゃ駄目なんですか?」
「あー………俺様の都合だ。」
「自由に喋りたいですよー!!」
「ここで喋れてるからいいだろ。」
「えーっ!!」
「葉波ちゃん葉波ちゃん。」
「なんですか?ジロー先輩?」
「俺、お菓子持ってきたんだ!向こうで一緒に食べよ?」
「いいんですか!?食べたいですー!岳人先輩も一緒に食べましょう!!」
「おう!!」
「おい葉波。」
「なんですか?」
「ここに俺様の家のシェフが作ったスイーツがあるんだが、これも食べないか?」
「え!?いいんですか!?」
「あぁ、」
葉波は跡部からスイーツを受けとった。
ジローと岳人とパソコンが置いてある方の部屋でプチお菓子パーティーをすることになった。
そしてその三人を除くメンバーがミーティングの席へと着席した。
皆、真剣な顔をしながら、
「鳳、日吉、今日の報告をしろ。」
「はい、俺が見る限りでは問題はありませんでした。葉波に近づく人は居ません、でも周りでそこそと葉波を見ている人たちが居ました。葉波ファンクラブ会員ではなかったように思えます。」
「本来ならそれも咎めてぇとこだが、それやってたらキリが無ぇ。大目に見ておくか。」
「俺のとこは葉波と会員No.0398が葉波の抱えていた教科書を持っていました。必要以上の接触はなかったと思います。」
「よし、そいつには礼を言っておこう。その後に警告しとけ。」
「「了解です。」」
毎日毎日、葉波に関する報告を真剣にするメンツ。
それだけ葉波は愛されているのだろう。
「他になにかあるか?」
「俺から一つ。朝ランニングしてたらよ、越智南川中の奴が葉波のことを話してるとこを見たぜ。多分近々葉波に接触を図ると思う。ったく激ダサだぜ。」
「分かった、その学校の奴は氷帝に近づけさせない。」
「あ、僕は今日葉波と一つもお喋りできてないから腹いせに黒魔術使っていい?」
「私怨はやめろ。忍足ならば許す。」
「ほんと?」
「やめや!!さっきから俺への扱いひどいで!!跡部はいっつも俺にラケットバックを投げつけてからに!」
「アーン?そんなの腹いせにやってるに決まってるじゃねーか。
俺はな!人の目があるところじゃ葉波を甘やかせれねぇんだよ!!
俺様の家のメイド長に俺が甘やかしたって言うことが伝わってみろ!葉波は速攻でお家執事だ!!一緒に学校に来れなくなっちまうんだよッ!!」
「それはアカン!!跡部、頑張りや!!」
「俺、もう挫折してぇ。」
「跡部さん、跡部さん!」
スイーツを食べ終わったようで葉波がこちらの部屋に帰ってきた。
「アーン?」
「このお菓子、とっても美味しかったです!!跡部さんもどうぞ食べてください!!」
ズイっと跡部の目に前に出されたスイーツは先ほど跡部が葉波に手渡したもので、
葉波はその美味しさを跡部にも分けてやろうと全部食べるのを我慢して持って来たようだ。
「ッ!!葉波…俺様の事まで考えてッ!!」
感動しながら葉波からスイーツを受けとる。
その光景は、
実に親子でした。
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200000hit企画第3弾
あべさん様リクエスト「ギャグで樺地成り代わりの刹ショタっ仔にデレデレな氷帝……」でした。
こんなので…どうでしょうか!!
跡部さんは過保護です。
物凄く、でもその過保護で樺地君は少し不便さんです。でもそれなりに幸せ的な?
なんだかよくわからない物になってしましました。
スミマセンっ!!
といいますか…刹ショタってなんですか?(・_・;)
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