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「あー、なんだお前弱いじゃん。こんなんでよく三天宝寺中だっけ?しめれたなぁ。なんだ?他の学校しめてるやつらもこんなに弱いのか?」
倒れている少年の髪を乱暴に掴み顔を上げさせ問う。
「う、嘘だっ…!!お前がこんなに強ガァッ!?」
少年の顔面を地面に打ち付けた。
「はい黙ってー、俺が聞いてんのは他の奴らの強さだ。お前の感想じゃねぇ、
さっさと俺の質問に答えろ。」
「っお前に、何か負ける、はずないやん…俺だって今日は油断して、」
「ハイハーィ、そんな言い訳セオリーだねぇ。俺はそんなことを言う奴には力の差ってぇのを見せ付けることにしてんだわ。」
冷たく少年を睨む。
「ヒっ!?」
「お前、学校をしめてんなら他の学校しめてる輩知ってるよな?俺の学校まで連れてこい。いっぺんに相手になってやらぁ。」
「誰がお前の言うことな、グェ!?」
「俺お前に連れてこないなんて選択肢与えてなんかねぇぜ?お前はお前の今日俺がボコッた怪我が治ったら牛耳ってるやつらを俺の通ってる学校四天宝寺中に連れて来ればいいんだよ。
いいんだぜ?俺はこのままお前を再起不能にしてもよ。」
「っ!!?」
少年はその場から逃げだした。
「アッハッハッハッハ!!(見ろよ謙也、お前を殴ったやつがお前の格好の俺にから逃げ出したぜ。さっきまでのでかい態度はどこ行ったんだっつーの!!)」
(友哉本当に喧嘩強いなぁ。)
「(当ったりまえだろ、伊達に関東の学校しめてたわけじゃねーんだぜ?しっかし謙也の体動かしやすいな!!やっぱスポーツやって均等に筋肉がついてるからか?)」
「あ、の!!助けてくれてホンマありがとうございました。」
「ん?」
(さっきまで殴られとった子や!!って財前!?)
「(知り合い?)」
(……部活の後輩。俺を嫌っとる…。ちゅーか関わったこと無い。)
「(なんで関わる前に気づかなかった!!)」
(やって暗くて顔見えへんかったんやもん!!)
「(だったらこっちの顔も見えないんじゃね?街灯背に受けて逆光だし、それに俺髪ブリーチしたし。)」
「どしたんすか?」
「いや何でもねぇ。お前も夜の街歩くんだったら気を付けろよ。」
「はい、今後気を付けます。」
(なんや素直な財前も気持ち悪いなぁ。)
「(いつもは素直じゃねーのか)おう、そうしろ。」
「名前聞いてもええですか?」
「え!?…あぁ、守本友哉だ。」
(なんでお前の名を名乗るんや!!)
「(は?お前、今こいつに嫌われてんだろ。関わらねぇ方が良いだろうが。)」
「友哉さんっすか…。」
「じゃ、俺行くわ。」
「あっ……。」
友哉は走り去った。
謙也の家に戻りベッドに突っ伏す。
「っはー、喧嘩ってやっぱいいなぁ。スカっとするぜ。」
(お疲れさん。)
「謙也も戻れたら喧嘩してみろよ。楽しいぜ?」
(俺は大人しくテニスするわ…スカッとしたいんなら。)
「チッいいなぁ、スポーツ少年は。」
(それよりも今度は大勢と戦うんやろ?ホンマ平気なんか?)
「は?それ誰に聞いてんの?俺、30人同時に相手にして勝ったことあるけどなにか?」
(……友哉凄すぎるわ、それ。)
「ま、安心しろ。謙也になったつーんもいいな!!喧嘩を散々できるし。
最近俺他の奴らから怖がられててよー。他人と喧嘩どころか会話すらしてなかったんだわ、これが。
唯一話しかけてくれてた奴は入院しちまうし。」
(友哉…それ寂しくないんか?)
「寂しい?そんな感情持ったこと無いな。
……多分そんな感情抱く前にその辺のチンピラ殴って発散してるかもー?」
(…………。)
「ま、俺のことなんてどうでもいいじゃん。あぁ、いつ来てくれるのかな、楽しみっ!!」
(…おやすみ。)
「おう、おやすめ。」
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