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入口の方を見てみれば立っていたのは関西勢。
「…よう白石、お前の世話になるなんて思ってもみなかったぜ。」
「なんや自分ずいぶんええかっこうしとるやん。お楽しみ中か?」
「バカじゃねーの?これがどうやったら楽しんでる様に見えんだよ、眼科行け眼科。」
「随分な物言いやな。助けたらんで?」
「誰が要るか、もう……完全回復したっつーの!!!」
「グッ!」
「ガァッ!?」
そう言って友哉は近くに居た奴らを薙ぎ払った。
そしてまた、捕まってしまわないようにすぐ、白石達が居る方へ駆けてった。
「チッ、お気に入りの服が…なんだよこれ、もうただのゴミじゃん。」
「お気に入りて…自分は女か。」
「女に見えるから俺ヤられかけたらしいぜ?…白石はんもどうどすえ?」
調子に乗ってくるわ言葉を喋ってみた。
「あほか、御免こうむるわ。」
「俺だってやだー。
………さて…俺様をこんな目に遇わせたんだ。覚悟は出来てっか?」
すでに数で押されている関東勢。
さっきまでの勢いは消え去っていた。
「なーに、怯えることはねぇよ。こいつ等には手は出させねぇから安心しろ。
俺が直々に戦闘不能にしてやるよ。
あぁ、でもスタンガンとか、あとナイフか?得物持ってつ奴に関しては…保障はしねぇけどな。
っと……お前ら…保険証はちゃんと持って来てんのかぁああ!?」
話して言って、友哉は容赦なくぶん殴っていく。
その様は落ち度のない動きで正確に相手を捕える。
で、まさに血塗れた喧嘩人形と言える動き。
容赦はしてない、させてない。
「くッ来るなぁああ!!血塗れた喧嘩人形【ブラッディーマリオネット】がぁ!!」
「あー?」
悪口の様に飛んできた血塗れた喧嘩人形と言う異名。
「お前らは小学生かぁ?人が嫌がる通り名を言うって、やっぱ脳味噌足りてねぇよ。
いつもの俺なら赤面して、ケンカどころじゃねーかもしれねぇが…今は俺、脳内が少し前に戻ってみてぇに、冷徹なことしか考えられねぇ。シシシシッ懐かしいぜこの感覚。
それに…その通り名…素面で聞くと恥ずかしい以外の何物でもねぇが…今聞くと、気分がイイ。
そうだろ?それだけお前らが、慄き、恐怖し、怯えて言うんだろ?
さぁ言えよ、もっと言えよ!!お前らが恐るる名前をよぉ!!!」
暴れて暴れて、壊して壊して。
転がっている奴らももう一回潰して、
喧嘩でなく、これはもう…虐殺。
「友哉!!」
「友哉さん!!」
もうひと暴れしようとした友哉を謙也と財前が羽交い締めにして動きを止める。
「止めてください!!友哉さんがそこまでする必要なんてないやないですか!!」
「せや!こいつらこれ以上やったら死んでまう!友哉が犯罪者になってまう!!そんなん許さへんで!!」
「……………あぁ、そう…だな。…帰るか。」
友哉がこの場を去ることをきっかけに関西勢も帰って行った。
関東勢はそのまま放置。
「ッ……血塗れた喧嘩人形【ブラッディーマリオネット】ッ!」
言った少年の手にはナイフ。
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