(29/34)
「ッ………………テェ…あ?」
目が覚めた友哉、
状況を確認すると、自分はうつ伏せに地面とこんにちはしており、上に誰か腰かけているのか重いし、動くことが出来ない。
「…おい、俺の上に乗っかってるやつ、どけろよ。」
「あー?お前、どういう状況か分かって口きいてんのか?」
「うっせぇよ、ケンカに得物持ち込むような臆病な奴に丁寧な口聞くもんかバーカ。ッグェ!!」
さらに背中からの重さが増えた。
地面に当たっている肋骨が痛い。
「得物がねぇと俺らはテメェに勝てねぇし、お前を倒して関東をしめるって言うメンドクセーこともしたくねぇよ。ただ単にお前を一方的に殴れればいいんだよ。」
「………。」
「あ?だんまりか?血塗れた喧嘩人形【ブラッディーマリオネット】と言われたテメェも落ちたなぁ!!」
ギャハハハ、と耳に障るような笑い声が廃墟中で大合唱だ。
「あー…うぜぇ。呼ぶなっつってんのに読んでんじゃねーよ。脳味噌足りてねぇんじゃねーの?」
「なぁお前ってこういう趣味があるんだろ?」
と言って見せてきたのは友哉が花魁の姿をした写真。
「あ?…なわけねぇだろ。」
面倒くさくて適当な返事を返す。
「これが、お前なぁ……このままお前、犯してやろうか。」
爆弾発言をかます不良。
「ハァ!?おま…ホモかよ…気持ちわる。」
「そんな気は全くないが…お前を辱める材料としたら最高級のモノじゃね?」
「ふ、ざけんな!!!」
「その写真撮って晒せば関東をしめるどころじゃねーだろ。お前の人生終わったな!!アハハハハ!!!」
笑い声の中、友哉の着ていた服はびりびりと破かれていく。
「あー………うぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇっつーの。
その異名で呼ぶなっつってんのによんでるお前らうぜぇ、
男のくせに俺を犯そうとしてるテメェらうぜぇ、
まー…なによりうぜぇのは…自分かなぁ?あれだけかっこつけて財前逃がしてこの様を晒してる自分がうぜぇ、」
「なに言いだしてんだ?…こいつ、」
気味悪がって友哉から距離をとる。
「なぁ?財前。」
「…友哉さん、俺どんなときも舎弟辞めへん言ったやないですか。なのに…友哉さん…ダサいっすわ。」
[ 48/97 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
mark