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次の日の昼休み、目に前には数人の女子が居る。
「……何、かな?」
「あの!これ作ったんやけど、食べれくれへん!?」
顔を真っ赤にさせながら友哉に突き出したのは小さなお弁当箱。
「…えっと……ありがとな?」
突き出されたため咄嗟に受けとった友哉、
受けとってもらえた女子はキャーキャー言いながら去って行った。
「友哉…モテモテやな。」
「…俺ってこんなにモテたんだな!!」
「守本の分際で…まぁ、ええわ屋上行こか。」
三人は屋上へ移動。
「友哉さん!!」
「あぁ、財前。」
すぐに出迎えてくれた財前。
財前がふと友哉の手元にあった小さな弁当箱を見た。
「…それは?」
「なんか、さっき女子からもらった…。
俺、女子から物貰うなんて初めてだから嬉しいぜ。」
ヘニャッと笑った。
「それは…良かったっすね。」
「あぁ…あ、財前の作ってくれた弁当もちゃんと食うから!!」
「あ、はい、ありがとうございます。」
次の日も、また次の日も友哉はお菓子やら、お弁当やらを抱えて屋上まで来た。
日に日に量が増す。
量も増えて行き、最終的には財前の作って来てくれる弁当が食べられなくなっていった。
「わりぃ!明日から弁当作ってこなくていいぜ!!今まで散々迷惑かけてきたからな。もう、大丈夫。今迄作ってくれてありがとな!!」
「え?………あ、はい…よかったですね。いっぱい貰えて…。」
「ああ!!」
少しずつ、少しずつ財前との関わりが薄くなってきた。
友哉さんおめでとうございますわ。やっと人並みの関わりがとれるようになったんやな。
舎弟としてお喜び申し上げますわ。
…やけど、なんで俺から遠ざかるんや?なんで友哉さんのいつも周りに居るのが俺やないんや?なんで謙也さんや部長なんや?
謙也さんならまだ納得できる、あの時から、…友哉と一番に親しくなったからちゅー理由があるからまだ分かる。
なんで部長や?部長は敵対しとったはずやろ?なんで友哉さんの周りに居るんや?なんで友哉さんもそれに対して笑っとるんや?なんでなん?
そもそもなんで部長は友哉さんのこと支えたいなんて言い出したんや?そこから可笑しいんや。
だんだんと友哉さんは俺から離れていっとる。普通逆やろ、もっと親しくなっとかんとあかんやろ?
なのに…俺が知らんことを部長と謙也さんは知っとった。なんで俺が知らんことを舎弟やない先輩らが知っるんや。納得いかへん。
喧嘩人形【ブラッディーマリオネット】やて?普通にカッエエやないか。
なのになんで友哉さんはあのトークの時は恥ずかしがっとったんや?
あぁ、そうや、俺に教えてなくて面目が立たん思うたからそれを誤魔化すためなんやな。
気づかいしてくれるなんて俺、嬉しいっすわ。
流石俺の友哉さん、ちゃんと俺のこと気遣ってくれとる。幸せやなぁ…。
気遣ってくれるんなら…俺が作っとる弁当は友哉さんが帰るまで食べて欲しかったんやけどなぁ。最期まで、な。
嗚呼!!そうや友哉さんは帰ってしまうんや。
どないしよう、帰らせん方法無いんかな?
ダメや、友哉さん自身に危害を食わえる方法しか見つからん!!
愛故なんや、離れとうないんや、陳腐な少女漫画でもあるやん。離れたくないってまさにそれや、簡単な感情や、愛や。
友哉さんならこの愛も受け止めてくれるんやろか?受け止めてくれますよね。やって俺のモノなんやもん!!
やけど、俺はあの時帰らされたことが気にくわへん。
ヘタレの謙也さんでさえ同行を許されとったのに、俺が帰らされるとかあり得へん。
ホンマ…今思いましたけど、友哉さん腑抜けてきてません?
俺が惹かれたあの冷たくて強い友哉さんは今どこに居るんや?あの冷たい瞳を持っとる友哉さんは何処に行ったんや?あの瞳に見つめられたらゾクゾクしますわ。
そうや、今ここに居る友哉さんは友哉さんの偽物や。やなかったらこんな俺を無下にはせぇへん。そうやろ?
やったら話は簡単やな。
今居る友哉さんを消してしまえば…本物の友哉さんは帰って来てくれますよね?
そうですやろ?俺、ずっと待ってんで?友哉さん?
そうや、待つだけじゃ…あかんよな。今、助けたるで?待っといてや?友哉さん――――。
財前はケータイを取り出し、インターネットにつないだ。
あるサイトにある画像と文章、
そして投稿。
ハハハハ……アハハハハハハッハアハハハハハアハハハハアハハハハハアハハハハアハハハハアハハハハアハハハハハハハハハハハハハハハハハハハアハハハハハハッハアハハハハハアハハハアハハハハアハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッハアハハハハハアハハハハアハハハハハアハハハハハハハハハハハハハアハハハハハハッハアハハハハハアハハハハハハハハハハハハハハハアハハハハハハッハアハハハハハアハハハハアハハハハハアハハハハアハハハハ!!!!!!!!!待っとってください友哉さん!!!
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[mokuji]
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