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ここで女装コンテストについて説明しておこう。
内容はタイトル通りのコンテスト、
開催場所は体育館。
コンテスト参加者は四天宝寺中学校に通う男子!!(大体は二次成長のきていない1年生が大体の参加者である)
そして、審査員は全校生徒である。
審査員はその男子の女装のクォリティーで10点満点を入れる。
ネタに走ってもいいが、やはり高得点を狙うにはガチでの挑戦が必須だ。
本番では、体育館のステージに立たされ、ウォーキングを披露することがアピールポイントになる。
単純かつ高度な技?が必要だ。
そして本番、
友哉はすごくグッタリとしていた。
毎日毎日小春にしごかれ、
白石には笑われ、…一発入れといたがな。
財前にはキラキラとした眼差しを向けられ…痛かった。
謙也には…まぁ、別になにも、
そして、控室に友哉とテニス部から参加の金太郎、アシスタントのその他レギュラーが一同に集まっていた。
友哉は一氏が作り上げた衣装を身に纏ってぐったり。
「さぁ!!友哉君!!本番よ!!」
「あー…うん。…ハァ……。」
「なんやー?友哉元気ないなぁ。」
「金太…お前はいつも通りだなぁ!!」
友哉と金太郎は呼び捨て、あだ名で呼び合う仲に。
同じ境遇に立たされているから芽生えた友情だ。
「なんか楽しいで!!こんな服着たこと無いしな!!けど…動きにくいぃ!!」
少しでも着心地を良くしようと金太郎が暴れる。
「暴れんなって金太、コレ着くずれしたら戻すのめんどくさいんだからな。」
「えー…!!」
「金太、白石の毒手が出てくるよー。そんなことやってっと。」
「ゲッ…。」
「あ!!そうよ、蔵リンとか先に金太郎さんをつれて体育館の袖行っといてや!!」
「…なんでや?」
「友哉君の完成形は、審査員の皆さんと一緒に見て欲しいやん!!」
「あー…せやなぁ…ほれ金ちゃん行くで?」
「わぁった!!じゃ友哉後でな!!」
「おうおう、後でな。」
金太郎他を見送る。
部室に残ったのは、メイクをするために小春と、衣装の最終チェックをするために一氏。
只今三人。
「金色さぁ…どうしてこんな衣装になった訳?クソ暑ぃんだけど。」
「あらやだ、体のラインを隠せるからいいじゃないの。あと鎖骨がきれいに出てて、き れ い よ。うふッ。」
「身の危険を感じた、オイ一氏、助けろ。」
「今話しかけんな、最終調整しとるんやから。」
「……ハァ…。」
いつになく真剣な一氏の目は職人の目をしていた。
「「出来た!!」」
小春から、一氏から、完了したという声が上がった。
「お?終わったか?」
椅子から立ち上がり全身鏡の前へ。
「お…おぉ……メイクスゲェし、この衣装も気合の入りっぷりが…。」
「当たり前やろ、やるからには本気でやるで。
その衣装はな、自分髪の毛変な色しとるけん、色考えるの大変やったんやで!?」
「あー…確かに、この髪色はなー…だから黒メッシュも入れたじゃん!!よりカオスになったけどよ!!」
「ほらユウ君に友哉君、ケンカしなーいの!!じゃ、行きましょ?コンテストへ。」
「あぁ、」
「俺らがプロデュースしとるんやから優勝せんかったら死なすど!!」
「ハハッ、俺だって勝ちてぇさ。じゃ、行くか?」
友哉は物理的に変身し、全校生徒の居る体育館を目指す。
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