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「ふぁーぁ…あー……眠っ。
いー天気だし…誰も来ねぇし、寝よ。」
髪をブリーチして赤や緑をメッシュを入れているブレザーの制服を着崩した一人の不良、守本友哉という輩が一時間目から授業をさぼり屋上で睡眠を摂った。
友哉は眠りから覚醒することになる。自分の体に走った激痛で、
「痛っ!?」
半分寝ぼける頭を何とか覚醒させて状況の把握に努めようとする。
校舎の中、どこかの教室。そして周りには人、人人人見たことのない学ランを着た学生たちに囲まれている。
「?ここ何処だ?俺…屋上で寝てたはずなんだけど?」
「おい、こいつ気絶したと思っとったら、―チガいになったで!!」
「ホンマ、ウケるわぁ。」
「まさか自分の都合のいいとこだけ忘れとるとかあらへんよなぁあ!!」
男子が掃除道具の箒でもって攻撃をしてくる。
咄嗟に避ける。
「っぶねぇな!!」
「忍足のくせに避けるなんぞ生意気やで!!」
「は?オシタリ?俺そんな名前じゃねーし。」
俺の名前は守本友哉だ。
「今謙也がボケても誰も笑わへんで。」
左腕に包帯を巻いている男子が奥から登場した。
「は?ケンヤ?……誰だ?テメェ。」
「なんや、ホンマ忘れとるん?テニス部部長の名前も忘れたんか?可哀想な脳みそやなぁ。俺だったら死にたくなるわ。」
「初対面の奴にそんなこと言われる義理はねぇんだけど。」
「チッ…ホンマ腹が立つ奴やな。なんやいきなり標準語になりよって気持ち悪いわ。
まぁ、ええ…俺もお前のことなんて忘れたいと思うとったとこやし、
けどなぁ、マネージャー殴ったこと忘れとったら…許さへんで。」
「は?マネージャー?……知らねぇよ。最近ボコッたのはどっかの高校生だぜ?」
記憶の糸をたどってみても思い出されるのは男を殴った記憶だけだ。女なんて殴ってない。
「そーか、そーか、期待はしてへんかったけどお前がそこまで最低な奴やとは思わんかった、わぁ!!」
白石は思いっきり腹を殴ってくれた。
「っグ!?」
考え事をしていたために受け流すことができなかった。
「お前らもうこんなやつ……殺してもええわ。」
それだけを言い残し教室を去って行った。
「白石…本当に怒っとったな。」
「くわばら、くわばら。あいつだけは敵に回したくないわ。」
「この学校を牛耳っとるんやで、逆らうなんて奴はお前位なもんや、忍足。」
「は?学校をしめてんのは俺だろ?そもそも白石なんて奴俺の学校に居ねぇだろ。」
周りの奴らはキョトンとした顔になった。こちらもその反応に対してキョトンだ。
そして次第に笑いの渦が巻き起こる。
「ハ…ハハハハハ!!」
「ちょ、マジでお前頭の打ちどころ悪かったんやないの?」
「やっべー、今日一番笑ったわ。」
「お前みたいなヘタレが学校占めれるわけないやろ!!」
「んだよウゼェな。」
訳も分からず笑われて黙っている奴ではない。
「はぁ…めっちゃ笑かしてくれたお礼にプレゼントしたるわ。」
男子が箒を振り下ろしてくる。
「え、何?喧嘩?買ってやろうじゃん。俺にケンカ売ったこと後悔すんじゃねーぞ、コルァ!!」
目にもとまらぬ速さで一人ずつ確実に沈めていく。
何人もいた教室の中で意識のあるものはただ一人にまで減った。
「ッけ…口ほどにもねぇ。しっかし、いてぇな。攻撃は全部避けたのに…。」
体のあちこちに鈍い痛みが走る。
こんな打撲した時のような痛みがする攻撃を受けた覚えはないので不審に思う。
「つーか、俺学ランなんか着てたか?ってグロ!?」
一番痛む腹を捲ってみると色とりどりの痣が皮膚を覆っていた。
「ちょ…待って、か鏡!!」
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