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ベンチに座っている友哉、ベンチの後ろに立っている白石。
「…お前はいつまでそこに立っておくつもりだ?さっさと消えろ。」
「なんや、俺がどこにいようが俺の勝手やろ。自分に指図される覚えはないわ。」
「俺の視界の中に入ってくんなっつったじゃねーか。」
「視界には入ってないで?」
「チッ。」
「…なぁ自分、過去に何があったんや?話ぃ。」
「誰が話すか、テメェなんぞに教える義理はねーんだよ。」
「あるでー、自分が自分を許さんかったら俺のことも許してくれへんのんやろ?やったらその意識を変えんと俺はずっと許されへんやんか。」
「なんだ?お前俺に許されてーのか?」
「俺は完璧主義や。一人にだけ許されてへんとか最悪なパターンや。」
「ふーん…俺には関係ねー話だな。」
「友哉さん!!!」
またもや一触即発な空気が流れている。
そんな空気をぶち壊す様に財前が話しかけてきた。
「ん?財前どうした?」
「俺の試合見てくれとりましたか!?」
言われて気づいた。
すっかり忘れていた。千歳に話かけられてそこから試合を見ていなかった。
「あ…わりぃ、話し込んでて途中から見てなかった…。」
「………そう…なんすか。
白石部長のせいですね。分かりました。…部長、俺とシングルスで試合してください。」
ボコボコにしたりますわ。
という副音声が聞こえたり聞こえなかたっりした。
「…ええで。」
二人はコートに移動。
激しいボールのやり取りが見受けられる。
「…なぁ友哉?」
「んー?」
「白石のこと許してくれへんか?」
「え、謙也まで何を言う。」
「白石を許してへんって言うことは俺のことを考えてくれとるってことやろ?
それは嬉しいんやけどな…白石、苦しそうやねん。」
謙也が信じられないことを言った。
白石が苦しそうだと、
「は?あいつが?」
「せや、あいつホンマにあれから反省してな。俺のことめっちゃ気にかけてくれとるんや。
俺を友哉だとまだ勘違いしとる奴らからなんとなーく距離を置けれる様に白石は調整してくれとるんやで。
それにや、白石はホンマにええ奴なんや。一途にあのマネージャーのことを好きやったから俺があんなんなってしもうた訳で…。」
「…分かってんだ……。」
「へ?」
「分かっては…いるんだよ、いい奴だってことはさ…けどなどうしても許すことが出来ねぇ。」
「なんで…?」
「白石ってこの学校をしめてんだろ?
学校をしめるってそう簡単には出来ねぇんだよ。恐怖で締め上げたら慕われることはねぇ、俺みたいにな。
けどアイツの周り見てみろよ、すげぇ慕われてる。いつも仲間が周りにいてさ…。だからいい奴だってことは重々理解してるつもりだよ。
謙也も白石のことを許してるって聞いてよ、俺も許してやんねぇとなぁってるんだが…無理だわ。
俺が…あいつをまだ許してねぇ理由は本当にくだらねぇことなんだよ……白石のあの過ちが俺の過去と被るんだ。」
「友哉の…過去?」
「…あぁ、そう言えば謙也は消えてたんだったな。財前には話したんだ。」
「どんなんか聞いてもええか?」
「あぁ、謙也にも…教えてやろう。あんまいい記憶じゃねーけどな。」
そして話し始めた過去の話。
「そんな…ことが友哉にはあったんか…。」
「おぉ、あった。あれから俺は自分のバカさ加減にムカついて…そのままだ。
大きな力を操ることが出来る癖にそれを誤った使い方ばかりしてたんだよな。大切なものは一切守れなかった。
分かるか?白石はその大きな力をたった一人の人間に、謙也に使ったんだ。
どんな理由があったとしてもそれはやっちゃなんねぇことなんだよ。力を持つってことは大きな責任を背負わなくちゃなんねぇ、人ひとり殺したら、尚更だ。
人の命って本当に重いんだぜ?それはもう押しつぶされるぐらいによ。
なのに白石は、一番最初に、謙也に、俺になんて言ったか覚えてるか?殺してもいいって言ったんだぜ。それの言葉を聞いて俺はその時から白石と言う存在がこいつは昔の俺だって…思うようになっちまってよ。
ハハハッ結局は自己嫌悪だ、同族嫌悪だ。笑いたきゃ笑えよ、ハハハハハ!!!」
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