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「あかーん!!」
「は?」
「なんでそんな食生活しとるんや!!あかんやろ!!
ええか?俺ら中学生の日平均摂取カロリーは2800〜3000kcalいるんやで?
そんだけやったら2000kcalも摂っとらんのんちゃうんか!?いやその味は確か180kcalや、朝は何味飲んだんや!?」
「は?あー…っと、…緑のパッケージの…。」
「ア ホ や ろ 自分!!マルチビタミンインやろ!それ90kcalしかないやん、しかもこの後はコンビニ飯?そんなんあったとしても1000やろ!!
今日の摂取カロリーは1300kcalだけか!?自分倒れるつもりか!!栄養失調か、栄養失調予備軍か!!!」
「……なんで、白石にそんなことに口出されないといけないんだ?」
友哉の食生活は成長期の中学生としてはあるまじきものである。
健康オタクの白石には耐えられない内容だったのだろう、犬猿の中でも口出したくなってしまうのがオタクと言うものなんだろう。
「今日はしゃーないから俺の弁当譲っちゃるわ、明日からは作って来ぃ。」
友哉の前に差し出される白石の食べかけの弁当。
お前の食いかけなんぞ誰が要るか、ペッ。
と言う感じの友哉だったが、今の白石の気迫には負けましたーと言う感じである。
助けを求めて謙也に視線を当てる。
「白石ー、戻って来ぃー。お前は友哉のオカンか。」
「は?んなわけないやろ。そんな子供土下座されてもいらんわ。」
「自分の行動を振り返ってみぃや、友哉の本当のオカンより白石の方がよっぽどオカンっぽい行動しとるんやないか?」
謙也に言われ、自分の今の行動を振り返ってみる白石。
自分の弁当を友哉の前に差し出している。
「……誰がやるか。」
弁当をひっこめる。
「誰が要るか。」
「友哉さん友哉さん、明日から俺が作って来てもええですか?」
「お?財前いいのか!?」
「勿論ですわ。」
「明日からまともな飯にありつけるー!!」
まさかの舎弟弁当。
「守本…君。朝ぶりやな。」
「おぉ、小石川ではないか。道案内サンキューな!!」
「や、行く方向一緒やったしついでや。」
「思ったんだけどよ。俺と謙也の関係知ってるやつ誰々だ?」
聞いてみると一応皆が知っていた。
「俺が、皆にあの後話したんや。」
「謙也……お疲れ。」
憐みの目を謙也に向けた。
その目の意味が分からず『?』を浮かべる謙也。
「なんでや?」
「だって俺も幸村とかに話したら苦笑されて結局は俺の夢オチって結論だぜ?」
「俺はすぐ皆信じてくれたで?」
「なん…だとッ。」
「まぁ、実際対面したからすぐ信じてくれたんやろうな。」
謙也が同意を求めるとメンバーが頷いた。
「やってぇ、謙也君があんなに喧嘩強いわけないんやもん。」
「謙也が標準語使うわけないやん、アホか。」
「ヘタレな謙也に俺がマウントとられるわけないやん。」
口々に納得した理由を言っている。
主に友哉が憑依した時はヘタレじゃないというところで気づいたようだ。
「あー、やっぱり謙也はそんな立ち位置か。うん、納得納得。」
「友哉!!ちょっとは俺のこと庇ってくれてもええんとちゃうん!?」
「や、事実だろ。」
「謙也さん、友哉さんに甘えんといて下さい。」
「ええやんか!!」
「俺が阻止しますわ。」
やんややんやと言い争う財前と謙也。
そんな様子を友哉は微笑ましいなぁと眺めるだけ。
「そろそろ昼休み終わるんじゃね?」
「………あぁ、ホンマやな。」
友哉の一声で解散となった。
「友哉さん!!部活見に来てください!!」
「あぁ、了解。」
去り際に財前に言われた。
断る理由も無いから承諾。
白石が物凄い苦い顔をしていたが、見ない見ない。
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