※おすけべ ふたなりジタシオ。

(かしこい登場人物はいません)
(なんかよくわからないゆるふわ時空での出来事なので何が起きても大丈夫な自信を育てるのに適した教材?です)

こんにちは!
ドクタージータの診察室へようこそ!
心音を聴く聴診器はいつも首から下げてるし、色々なお薬を症状に応じてささっと調合するためのフラスコも試験管も作業台の上で出番を待ってるし、いつでも緊急のオペを開始できるように麻酔薬とメスのセットも常備してあるよ!
今日はね、意外な患者さんからのたっての希望で昼間の予約があって、人払いをして特別に診察室を開いてるんだ。
いつもはみんなの自由時間がある、夜に予約を取ってるんだけど……一体何があったんだろう。未知の症状に立ち向かうためには、ちょっとの好奇心は確かに必要かもしれないけれど……それだけじゃまだまだ足りないから、みんなを看て少しでも経験を積んで、本当に困っている人を一人でも多く助けられるようになりたい。
なーんて、真面目なこと言ったところで、患者さんの症状がよくなるわけじゃないからいつも全力で症状と向き合うことになるんだけどね。
そう、意気込んでいたら。
人払いはしてあるのに、やけに控えめなノックが二度。
「あいてますよー」
鍵は患者さんが入ってからかけるから、今はまだあいてる。ドア越しに入室を促したんだけど、なかなか入って来ない気配がする。
なんだろ?
気になってスツールから降りてドアを開けに行く。ドアノブを回して開いたその先には、本日ご予約いただいてる患者さん──ルシオが神妙な面持ちで立っていた。
「……? なにか、気になることでもありました?」
目を合わせる気には今はなれていないみたいで、彼は俯き加減。
さらさらの前髪がちょうど目元を隠して表情がうまく読み取れない。
仕方がないから、もうそのまま診察を始めることにした。
「とりあえず、何があったのかとか知りたいから、中へどうぞ──」
振り返って歩き出そうとした私に、遠慮がちにルシオが縋り付いた。
「────不安なのです」
…………問診開始、か。
「不安っていうと、今抱えてる何らかの症状についてのことを言ってる?」
医師と患者の問診にしては、ちょっと色っぽい雰囲気がなくもない格好かな。
けど気にしないし、治療に必要なことなら何をするのもためらわない。自分で決めた事だから、今の彼に何が必要なのかを見極めて対処しないと。
「…………はい。数日前から症状はあったのですが、一過性のものかと考え様子を見ていたのですけれど変化がなかったので」
診てみないことにはなんとも言えないけれど、人間とも星晶獣とも言えるようで言えない特異な彼の身に、自力でどうにもできない何かが起きるなんてよほどのことかもしれない。
今の彼は、私を試しているとは言い難い、追いつめられた表情が隠せていない窮鼠。
泳ぎ方を教わらないまま海へ叩き落されたあわれないきものが、私という藁であるのかさえわからないものを掴んで溺れてしまわぬようにもがいてる。
「症状が出てる部分を、私が診ても問題ないからここに来た、って考えていいなら」
薄手の手袋をはめて、指先から肘回りまでを消毒する。診察台の準備が出来てるのを目視で再確認してから続けて指示を出した。
「そこの診察台の上で、患部を出して横になって」
患部ってどこなのか先に聞いておけばよかった、とかの……後悔先に立たず。だったんだよねぇ。
ごくごく自然に上半身の服を脱ぎ始めたのは、彼の患部が上半身にあったからじゃない。
着用している衣服の構造上、診察及び治療行為に影響がある可能性が高いと彼が踏んだから、で。
引き締まった上半身をじっくり眺めて、外傷由来の症状を色々と除外していくうちに、脱衣の手は腰から下へ。
あらー、彫像みたいに理想的な腰と臀部の比率といい、そこから伸びる腿の裏の絶妙な太さといい、どこぞの黄金比フェチ垂涎ものの裸体が──
じゃ、な、い!!
女の子の前で裸になるんだから、形式だけでいいから、ちょっとくらい恥じらって!
人間社会では、異性の身体構造を見慣れてる年頃とは言い難いんだから、まだ私!
…………ん?
異性の、身体構造?
前にルシオから聞いていた話と、食い違いが生じることにここで気が付いた。
恥じらう乙女(乙女だもん!)の顔から、医術の道を進むものの顔へと戻った私を見て、ルシオは語り始めた。
「男性体をベースとしている私の身体構造は平時であれば、場の状況や必要性に応じて男性器の露出も収納も意のままに行えることは以前話しましたね」
見せなくていいのにその一部始終を以前披露してくれたものだから、忘れようがないよ本当にもう。
「きっかけは不明ですが、朝に目を覚ました時には既に『しまえなく』なっていました」
せっかく向こうを向いていたルシオが、律儀にこっちに向き直る。横になれって言ったのに人の話聞いてなかったのかな。
「わかった、わかったから、そのご立派なものは見せなくても事態は伝わって来たから」
とりあえずルシオを診察台に寝かせて、話をしながら診察を……しなきゃいけないんだから、大変だなぁ……。
「自分でも思いつく範囲で色々と試してみたのですが、何をしても体内には戻せなかったので」
物理的に押し込んでも、収納するように意識を集中させても、逆に露出するよう努めても、変化がなくて。
あとは様々な類の刺激を片っ端から与えてみるにしても、事情を知る者でなければおいそれと試せないでしょう?
そう語るルシオは本当に困っている様子だった。
彼の纏う衣類は、人間の男性もののように股間に意図的な余裕を設けていないつくりをしているから、陰茎が露出したままだと窮屈で仕方がないはず。ご立派なものであるから尚のこと。
(んー……こういう時は、人間の間ではお約束みたいな治療法というか、民間療法みたいなものが、あるにはあるんだけど……)
それを試せはするけど、ぬか喜びさせるのは気の毒だからもうちょっと情報が欲しい。
「ひとまず、私も直接状況確認するから診察台に仰向けになって」
触診の、開始かぁ。

触診したらわかった。
ルシオ、生殖機能はないって話なのに体内構造の動作確認を経るたびに徐々に『溜まる』ように出来てるんだ。
長い周期みたいだから人間とは違うようだけど、溜まってるものを一度綺麗にカラにしないといけない可能性が高い。
何せ、私の手でちょっと触れただけでとろんとした目をして、息を荒くしちゃうんだもの。
天を向きそそり立った男性器の先からにじみ出てくる液は案の定白い濁りが混じっていて、軽く扱いてみたら手を本格的に動かす前にトクンと溢れ出てくる始末だし。
これは、私も気合い入れて治療にあたらないといけないやつかな。
「────ルシオ、大体わかったから、これから治療に移るね」
さて。
これから何が始まるのかを説明しないと。
「説明は簡潔に、単刀直入にお願いしますね」
さ、さくせんしっぱい……雰囲気でこう、ごまかされてくれないかなって思ったんだけど甘かったかなー……。
「ドクターとして一通り診たところね、ルシオは人間でいうところの極度の『欲求不満』なの。性的なやつね」
こうなったら洗いざらい言っちゃうしかないかー……。
「だからジータちゃんと、いっぱいえっちして、気持ちよくなろ?」
白衣、ぽーい。
聴診器とメスセットも外して、白衣の上にぽい。
黒のストッキングをずらして、ミニスカートをめくると……一部の団員にしか明かしていない、私の秘密の部分が現れる。
まだ何も刺激を与えていないそれは、ぶらりとうなだれたままだけど。
診察台に膝で乗り上げて、ルシオが持つ雄の部分に同じものを裏筋で重ね合わせる。
握りこんでゆるく擦り上げれば、ルシオが分泌した液で手がべたべたになる。
「きもちい、でしょ?」
ルシオと私は身体構造に共通点があった。男性器の露出と収納を自ら律することが可能、という点で。
私は女の子として育てられたし生きてきたけど、ヒドラの悪夢の日を境に身体構造に変化が起きていた。
肉体のベースは女の子だけど、男女両方の性機能を手に入れてしまって以来、自分の根本が一度揺らいで。
本当の意味での女の子ではなくなってしまって……葛藤しなかったわけじゃない。
けど命ひとつの対価としてはそう高い物じゃないと思えたから、この体でもう一度生きていくって決めた。
そして今、この体だからこそ試せる治療法がある。生殖機能の有無は試していないし、ルシオに眠る数々の可能性からは目を背けるかたちになるけど、症例から逃げずに挑むことができる。
腰を揺らして裏筋をあて、しきりにこすってくるルシオは、いつもの様子とは全然違ってる。快楽に従順でとてもかわいいの。
自慰の知識はあっても自分に必要な情報だとは判断しなかったのかな。可哀そうに。
はぁはぁしながら、せり上がってきているであろう排出欲の発散の仕方がわからずに、瞬きばかりして。
排泄さえ必要としない体は、そういう時に不便で哀れで、狂おしいほどに愛らしい。
(さっき一度少し出せてはいたから、中で詰まってる可能性はないけど……)
性経験がゼロにも等しいルシオに、セックスにおける男役をさせるのは無理があるし時間も限られている。
私が入れる側に回るしかないか。
「そうそう、みんなには今からすることは黙っていてね」
ジータちゃんとのひみつだよ。
額に張り付いていたルシオの前髪を一房摘んで、隠れかけていた瞳を白日の下にさらけ出す。爽やかなシトラスと華やかな花の香りがふわりと漂い混じりあった。

「あの……この体勢で、よろしいでしょうか」
膝裏をそれぞれの手で抱えさせて、足を大きく開く体勢。秘めるべき箇所をまるごと私の前に差し出す格好。
うん、悪くない。いや絶景。まだ誰も彼を自分の色に染めていないと知っているからこそ確信できる。この肉体に無体を働くための対価は貨幣で計ることのできない範疇のものだと。
無垢な瞳に、さっきまでは滲んでいなかった期待が滲み始めてる。私の言うとおりにしていれば問題は起こりえないと信じてもらえているからこその、ルシオの表情。
ぱんぱんに膨らんで血管までうっすら浮かび上がらせているご立派な逸物の根元から視線を下げればすぐに、膨らんだふたつの陰唇の間にちゃんと陰裂があるのが見える。そこも濡れてとろとろとおつゆをこぼしているけど、今日はそこを使うわけじゃないからおあずけ。更に視線を下げていったところにある、創造主の気まぐれでつけられたとしか思えない排泄には使われない排泄孔を使うから。
さすがにそこは勝手に緩んだり濡れたりはしないからローションを使う。一回分ずつ個包装になっている、使い切りタイプ。自分の体では試してないけど、効果は艇内に何組かいるカップルに試してもらってるから心配してない。
液体を収めたチューブの先端を千切って孔の周囲をまず滑らかにする。垂らした液体を指先で薄くのばして、孔のふちからまずは柔らかくほぐしていく。こんもりと盛り上がった粘膜と肉の境目を指先で念入りにさすっては内側へと塗りこめていくと、ただでさえ甘いルシオの声がもっと甘くなっていく。
「これ、は──いけないこと、なのかも、しれませんけど──とても、こころよい、ものですね……っ」
けどまだ表情には余裕がある。そうでなきゃ困る。もっとすごいことになっちゃうんだから、私たち。
尿道調教用のプラグの一番細いのを、定期的な射精を促すためにルシオの尿道に入れてるんだけど……ちょっとした悪戯心が騒いで、そのプラグを若干ストローク大きめに動かしてみた。ああっ、という声と共にとぷとぷと、引き締まったルシオのお腹の上に精液が吐き出されていく。表から彼の陰嚢は見えないようになってるから、あとどれくらい出させたら治療が完了するのかは目視で確認のしようがない分、前立腺をはじめとした性感帯をこれでもかってくらいにいじめてあげる必要があるって点に、手を焼いているようでいて楽しんでいる。
十数回プラグを行き来させても精液が出てこなくなったところで、孔をほぐすのを再開する。
ぷにぷにした濃い桃色の粘膜がちょっとずつ見えるようになってきて、蕾が今まさに咲こうとしているのですが、それを私は治療と称して散らしてしまうのです。もともとそのために慣らしてるわけですし。
私の指にも結構ローションが絡まってて、ねっちょり、くぷくぷっと、動かしただけ音がする。孔のふちをひっかく延長で、人差し指でかりかりと粘膜をほじりながら、ルシオのお腹の中へと指先をうずめていく。
(あったかいし、やわらかい)
体温が高めに保たれる場所だけあって、指先をうずめてすぐに温もりが伝わってくる。今されている行為は己の肉体にとって危機であるとは微塵も感じていないのか、すぐに内部の粘膜も馴染んできた。指を根元まで入れてみてもそれは同じで、むしろ本人にとっては挿入が浅いのが物足りないのか、切なそうな視線が刺さる刺さる。
「ちょっとまっててね、中に出さないようにアレつけるから」
確か白衣のポケットに、おろしたてのゴムが入ってたはず──
「不要ですから、どうかこのまま」
貴方を直接、感じさせてください。
中から指を抜く前に、きゅうっと強く締められて抜くに抜けなくされた上でのルシオの一言。
ここまで熱のこもった懇願をされてしまった以上は、ご期待に添えるより他、ないよね……。

「…………全部入った、よ」
どうしようどうしようどうしようどうしよう。
めちゃめちゃきもちいい。
ルシオのなか、こんなにきもちいいなんておもわなかった。
これじゃ、治療とかそんな余裕、なくなっちゃう。
ただのえっちに、なっちゃう。
でも、どうやらそれは、ルシオも大して変わらなかったみたい。
枕に噛みついて声を出すまいと頑張ってるみたいだけど、余程イイところに当たっちゃってるのか、呼吸のたびに声が出るやら私の腰に絡めた足でさらに奥へと引き込もうとするやら。
(結腸、届いちゃってるからかなぁ)
ついさっき、奥の方でもう一回、狭いところを潜り抜けた感覚があって。
そこを抜けた時にルシオが、何度目なのかもうわからないけど結構激しいイキ方をして。
とろとろ、って溢れさせるのとは違う、間欠泉みたいなイキ方。本来設計されたかたちに戻りつつある射精を確認できた時は、ちょっと安心した。私の『一回』で済みそうだったから。
全身がうっすら桃色を帯びたルシオはとてもきれいで、それでいていやらしくて。
診察台を精液でぐちゃぐちゃに汚してる張本人とは思えないほど、清らかで神々しくて、ええとええと……もうむり。
私だって、はじめてのえっちなんだもん。
こんなにきもちいいなんて、しらなかったもん。
余裕、ないよぉ。
根元から先っぽまでぬるぬるぬめぬめしたルシオのあったかい粘膜でつつまれて。
ちょっとでも動こうものなら、出ていかないでと言わんばかりに絡みついて、しっかり締め付けられて搾り上げられそうになる。
だしたい、よぅ。
でもがまんしなきゃ、ルシオがもう出せなくなるまでしっかりお世話しないといけないんだから。
でもでも。
私のおちんちんだって、気持ち良すぎてぱんぱんに膨らんで、痛いくらいで。
がんばってがまんしてるのに、ルシオは尿道プラグを自分で抜き差ししながらあんあんいってるし、そのせいで私のおちんちんがきゅんきゅんしめつけられてるし。
腰をホールドしてる足を片方外させて持ち上げたとき、あんなに集中して散々我慢してたのに、一瞬気が緩んで。
ルシオの一番奥に入ったままだったおちんちんの先から、ぴゅっ、って。
出ちゃった。
イっちゃたんだ。
「──っ、んーーーーー!!」
堰を切ったように、精液が出始める。
ルシオの中は、待ってましたとばかりに根元から搾り上げるような動きを繰り返すし、ぴゅるぴゅると絶賛射精中のおちんちんの先っぽを粘膜がナデナデしてくる。
(なにこれぇ……よしよしされてる……ルシオともっと、えっちしたくなっちゃう……)
ルシオの中にしこたま出して、やけにすっきりしてしまった罪悪感を抱えながらまだ硬さの残るおちんちんを引き抜くときに、すっかり薄くなったルシオの精液がとろりと陰茎を伝って流れ落ちていくのを、ぼんやり眺めて。
私も服を脱いで横になって、診察台の上でしばらくのんびりしてから、ようやく言い出せたのがこんな言葉。
「これからは定期的にシたほうがいいから、二人でいっぱい気持ちよくなろうね?」
最後にお互いのものを手で扱いて抜きあってから、とろっとろの手袋を脱いで。
精臭を消すための換気が終わるまでの間、詳らかな創世神話を寝物語に聞いていた。


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