目指せ!ぼっち飯 終章【日向R18】

お久しぶりです。そういえば最終的にどうなるのか書いてなかったので書いておくことにしました。番外編はノーカンで!おねがいします!(書いたことを忘れる字書き特有のあるある)


日本のみんな(みんな知ってると思うけどあいつとかあいつは除くよ!)、地球の裏側からコンニチワー!
トオル・オイカワです。
俺はいまー!
人生の一大決心をして降り立ったはずの地でまさかまさかのオチビちゃ……じゃないねもう、日向との再会を果たしてしまい一緒にご飯を食べているところです。
ぼっち飯はいっぱい経験したので次は誰とのご飯が俺にとって特別になるのかなっていう、人生をかけた壮大な実験をしています。
出立の何日か前に危うくうっかり勢い余って?
ランニング中に黒服の男数人がかりで簀巻きにされて拉致されて、牛島と夜景の綺麗なホテルディナーを堪能してしまった挙句、帰り方がわからないっていう俺の弱みに付け込んで取ってあったお部屋に連れ込まれそうになったけど……うん、俺はまだ清い体です!
ってことを無事家に帰りついてから岩ちゃんに報告したら、俺の体が清いまま帰ってこられたことを喜んでくれたとかは論外で、本気で頭の心配をされてしまったのです。
オマエとうとう幻覚見て人に話すようになったか、ヤベェやつなんじゃねえのかって……ひどい……ぐすぐすめそめそ。
けど、そんな青春の一ページは盛大に破り捨てて、いやその牛島とそういう未遂を起こしたことなんて若かりし頃の記憶に残したくなかったし……新天地で母国語とは大違いの言葉を話しながら生活していた及川さんはですね、紆余曲折を経て日向と美味しいご飯を食べるに至ってるんですよってことを、俺の沽券に関わる根幹をぼかしつつ面白おかしく脚色しつつ牛島とのエピソードを話して聞かせて笑わせておりまして。
そりゃあもう大うけしましたとも。真顔で迫ってきた牛島の表情が試合中の顔とそっくりでさ、つい俺が試合スイッチ入っちゃって喧嘩売って、だけど俺をベッドに押し倒して前かがみになっててもわかるくらいに牛島のウシワカちゃんがくっきりしっかり隆起して存在をアピールしてたってあたりを話したらもうね。
あ、勿論現地の言葉では話してないよ!
ちゃんと日本語で話しました!
うっかり聞かれて俺明日から尻ゆる男だと思われちゃったら困るもの!

そうそう、日向はね、ビーチバレーで武者修行をしてるみたいなんだけど……。
経験のない俺をさ、無邪気に連れ出して。二対二の最中、砂に足を取られて顔面から突っ込んだところを笑われてさ。
ぷぅ、ってほっぺたを膨らませてぶーぶー文句言ったよね。
そしたらね。
手を差し出して立ち上がるのを手伝ってくれたついでに、日向が耳元でひとこと。
後で埋め合わせしますから、今だけとりあえずお願いします、って。
その時はその言葉を額面通り受け取って、うんわかった、ってつい言っちゃったんだよなぁ。

他意、あったなんて考えなかったんだよなぁ。
年下だから。日向だから。
忘れてたんだ。
相手も相応に歳月を重ねた、一人の男になっていたってことを。

埋め合わせその一の、日向おすすめのお店での夜ご飯は確かにおいしくて、ついつい食べ過ぎたのが敗因だった。
ちょっと休んでから帰ろうかって流れになって、日向の滞在先にお邪魔して、昔話に花を咲かせていたら夜も遅くなって。
ベッドに腰かけて話し込んでるうちに、すぐ隣まで日向が距離をつめてたことに気が付かなくてさ。
薄暗い部屋のベッドの上、本来同性同士なら何も起きないところなんだけど。
どうやら俺はそっちの気がないわけじゃなかったみたいで、迫られるがままにベッドに仰向けになってた。
徹さん、って。日向の声。囁かれて、意識に麻酔をかける。
ビーチバレーのあとに浴びたシャワーの折、二人して使った石鹸の匂いが薄く香る。
ふにゅっ、とやわらかいけど弾力のある、少し乾いた感触が唇に触れて。
あったかいな。あんしんする。気持ちのこわばりがするするとほどけて、体の力がさらに抜けていく。
チョコレートよりもとろけてあまい口づけをくれた日向が、俺の舌に吸い付き唾液をすする。
ちょっと鼻息が、荒い、ような?
けど気にならない。
相手が日向だからなのかな?
わからないから、確かめようとした。
確かめてみたかった。

案外単純に答えは出るのかもしれない。
本能でいきついた結論を俺は受け入れることにした。
埋め合わせその二……いや、埋められたのは俺の方で、日向が埋める方だったんだけど……初めて同士のはずなのに、とっても気持ちよくしてもらえてしまった。
俺の上で腰を振る日向が、声抑えられないなら枕噛んでていいですよ、って言い出すくらいに。
日向の迸りを体の奥で何度も受け止めて、とろとろあふれ出て止まらない精液の後始末なんかも全部してもらって、俺はすっかり手のかかる日向だけのオヒメサマになってしまいまして。
中から掻き出す時にもいちいち反応してしまう俺のを宥めながら、手で扱いて仕上げには先端に残ってた潤みを吸い上げて舌先で尿道口のお掃除までしてくれて。
もう一度シャワーを浴びようとしたら一緒に入って来て、つい盛り上がっちゃって今度は俺が日向のを弄ることになったりもして。
体を重ねた相手だから何か変わったとは思わないけど、多分日向は。
俺と母国を繋ぐためのかすがいであり、俺のルーツを思い出させてくれる稀有な人物であり。
いつのまにか俺の中で唯一無二の存在になっていたりもする、不思議な人なんだ。


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