【岩及・影及・牛及】及川さん見られ4P失禁

及川徹は、ひどい男である。
繰り返す。
及川徹は、ひどい男である。
何故か。
理由、もとい原因は単純だった。
同時に、複数の男の心を、弄んだのだ。
のらりくらりと三股疑惑をはぐらかし、体の関係も勿論結び、それぞれのデートがブッキングしかけようものなら何かしらの理由をでっちあげて断る、そんな男だった。
だが、そんな及川にも、天罰が下ることとなった。
及川の挙動を不審に思ったそれぞれの男たちは、敢えて同じ日の同じ時刻、同じ場所を待ち合わせ場所に指定して、及川をデートに誘った。
焦った及川が用事があるから、と断りを入れようものなら、私生活のすべてを把握している岩泉が退路を塞ぐ。
『テメェその日何も予定入れてねえって母ちゃんから聞いてっぞ』
最恐の幼馴染が君臨していた。
及川にとっての恐怖の日が、刻一刻と迫りくる。
そしてやって来たその日。悪あがきと知っていながら、及川は仮病を使って一日を棒に振る覚悟を決めた。
だが幼馴染の特権を活かして岩泉が部屋まで上がりこむ。
「風邪なんか……」
布団の丸い膨らみの端を掴み、一気にまくり上げる。
「引いてるわけ、ねえだろうがクソ及川!」
「ひゃっ!!」
及川徹は、往生際も悪かった。




その往生際の悪い及川をそれなりの格好に着替えさせ、待ち合わせ場所まで岩泉は連れて行った。
及川の悪い予想通り、その場所には、影山と牛島が揃って立っていた。
いずれも不機嫌を露わにした表情で、これはまずいことになった、と及川は如何にしてこの場から逃げ出すかの算段を立てようとしたのだが。
「逃げる気か、及川」
牛島に首根っこを掴まれてしまえば、従わざるを得なかった。

そんな経緯もあって、今に至っているわけだが。
「ちょっと、俺だけ脱がされてるっておかしくない!? 不公平不公平!」
椅子の背凭れに手錠で両手を拘束されている点についてはプレイの一環だと思い込んでいるあたりが、及川の詰めの甘さだった。
足首もしっかりと椅子の足に固定されている。四肢の自由を奪われているあたりがどう考えても詰んでいるのだが、及川徹という男は妙な所で抜けていた。
何故昼間からビジネスホテルに連れ込まれなければならなかったのか。
どうして椅子の下にブルーシートとベッドシーツが敷いてあるのか。
部屋に連れ込まれるなりしきりに飲み物を勧められているのか。
少し考えればわかりそうなものだったが、及川は三股疑惑が疑惑ではなくなった事実に嗜好領域のすべてを持っていかれて、いかにして三人の怒りを鎮めるかばかりを考えていた。
むすっとして黙りこくったまま、座っている及川を三者三様で見下ろす男たち。
腐れ縁から恋仲に発展したとばかり思いこまされていた岩泉一。
飛雄だけにいいこと教えてあげようか、という文句にまんまと引っかかった影山飛雄。
嫌だやめろ触るなと散々な言いようだったのは全部、男を落とす手練手管だっただけのこと。その最たる犠牲者、牛島若利。
三人は、一糸まとわぬ姿の及川を取り囲むようにして、痴態を見下ろしていた。
小一時間もの間、だ。
そのうちに、及川がもじもじと、膝を擦り腰を揺らし始めた。
「ね、ねぇ、ちょっと」
誰も何も答えない。
「ねえってば! 俺ずっと、このままなわけ!?」
「ああ」
さも当然と言わんばかりに、表情ひとつ変えずに牛島が返事をする。
「こ、このままだとさ……俺、トイレ、行けなくない?」
「だから何ですか、及川さん」
冷徹な目をした影山が、ぷるぷると震えている及川の陰茎を静かに見つめている。
「まだ時間かかりそうですね、岩泉さん」
「だな……追加いくか、追加」
二リットルのペットボトルに入った緑茶を及川の口に流し入れる岩泉。
「吐き出したら承知しねえからな」
脅し付きで注がれた口いっぱいの液体を、及川はただ飲み下すより他なく。
口を開けられ、飲み込んだことを確認してから、また口中いっぱいに注がれて。
何度も繰り返したあたりで体の中が冷え、ようやく効いてきたのか。
じっと及川の陰茎の先端を飽きずに観察していた影山が、声を上げた。
「あ」
「どうした影山」
恥辱を味わわせるのが第一目的の牛島は、あまり関心なさそうにもう一つあった椅子に腰かけて及川の様子を静観している。
声を上げたのは岩泉だった。
「今、ちょっとだけ出ました」
「やだ、言わないでよ、飛雄のばかっ」
「及川、確かめっから足広げてろ」
「い、岩ちゃんまで、ひどい、ひどいよぉっ」
及川の股間を凝視する男が二人。何とも滑稽な姿であったが、普段は余裕綽々で自分に接してくる及川の、まるで余裕のない姿は牛島の股間の逸物を確かに押し上げていた。
「……本当か? 濡れてるようには、見えねえけど」
「本当です、けどまだ滲む程度なんで、多分舐めてようやくわかるかどうかってとこだと思います」
「やだやだやだ、舐めるのも吸うのもだめ、ほんと、出そうなんだってば!!」
切羽詰まった及川の声。粗相をしてしまうか否かのギリギリのラインで、及川は今踏みとどまっている。
しかし、三人の男たちの思惑は合致している。そのラインを、強引に踏み越えさせることで。
「試しに舐めてみっか。どうする? 影山」
「俺いってみていいっすか。ちょっとだけ吸えば、いよいよ及川さんも我慢できなくなると思うんで」
及川にとっては悪夢でしかない会話が繰り広げられている。どの道こいつらは自分に粗相をさせて愉しむつもりでいたのだ。
そうして、楽しんだ後は複数プレイでも何でも繰り広げて、もしかするとぼろ雑巾のように捨てられるかもしれない。
恐怖だった。牛島に至ってはいつの間にか立ち上がり、こちらの様子をカメラで撮影しているではないか。
「そうだな……牛島はそのまま、及川撮っててくれ」
場を岩泉が仕切る。
「で、影山は、及川舐めてみろ。多少なら吸っても問題ねえだろ」
「わかりました」
舌なめずりをしながら、影山が及川の陰茎に吸い付く。
ちろちろと鈴口を舌で検め、影山が言う。
「やっぱり出てました、結構濃いめですけど。もうちょっとだけ、吸ってみますね、いいですよね及川さん」
「や、やだってば飛雄、ウシワカちゃんも俺の顔撮らないでってば! ……あー……っ……」
ちょろ。ちょろちょろ。
上を向き、観念したかのように、顔を赤らめ一瞬の放出の余韻に及川は浸る。
だが、そんな彼のささやかな幸福も長くは続かなかった。
影山が、及川の尿道口に舌で栓をしたからだった。
「やだ、飛雄、俺もっとおしっこしたいっ」
「そういう趣旨じゃねえんだっての及川、お前にションベンさせんじゃなくてよ、あくまでも『漏らさせる』のが今日の俺達の目的だ」
そこんとこ勘違いすんなよな、まだ二人分残ってんだからよ。
そう付け加えられた岩泉の台詞で、及川は絶望の淵で背を突き飛ばされたような感覚を覚えた。




影山が吸った分で少々の余裕を取り戻したはずだった及川だったが、四半時もしないうちに次の波が押し寄せてきた。
「い、いわちゃ……」
もう影山は口を離しているから、彼の口の中に放尿はできない。岩泉は腕を組んだまま及川の正面で仁王立ちをし、牛島は牛島で尿意を堪えている及川の表情を延々と撮影しているのだから力を貸してくれるはずもなく。
「さて、及川。影山はあれで満足したらしいから、次は俺の番だ」
何をさせられるのか。我慢して我慢して溜めに溜め込んだ尿を飲んでみたいという欲求を影山が持っていたのは意外というかなんというか意表を突かれたのは事実だったが、煽るだけ煽っておいての結果がそれきりというのは何かの裏があるように思われてならなかった。
「俺たちは、お前を『共有』することにした。だから次は俺の言う事を聞いてもらうんだが……そうだな……」
思案顔の岩泉。いつの間にか及川の局部をアップで映している牛島。勃起した自身を隠そうともしていない、下半身をむき出しにした影山。
及川自身、この状況で自分が漏らしても誰がどう喜ぶのか、どうにも理解が追いつかなかった。
「よし、決めた。徹底的に我慢しろ。で、椅子の下のシーツに染みが出来るまでなら、漏らしていい」
後半の条件をつける理由は及川自身わかりかねたが、漏らす以外の結末がない点だけは、及川に何の救いもなかった。
「やだ……今すぐ、したいよぉ……先っぽまで、おしっこでいっぱいだもん……」
「だからだ。それをギリッギリまで我慢すんだよ、出来んだろその位」
「いわちゃぁん!」
及川の悲痛な声が部屋に響く。そしてその拍子に気が抜けたのか。
黄金色をした小水が、及川の陰茎の先端からあふれ出した。
しょろ。しょろしょろ。
「うっ……で、ちゃった……いわちゃんの……ばかぁ」
シュウウウウウ、と音を立てて漏れ出ていく及川のおしっこは、腿を伝い、踝を濡らし、椅子の縁からもぽたぽたと滴を垂らした。
「あっけなかったけど、ま、こんなもんか。撮れたか? 牛島」
「一部始終、収めてある」
いつの間にか影山まで撮影に参加しており、及川の表情も垂れていくおしっこもすべて映像として記録に残されてしまっている。
「飛雄まで撮るなんて、ひどすぎるよぉ」
「三股かけたアンタとどっちがひどいかアンケート取りましょうか、今度街頭ででも」
どんな結果になるかは読めなかったが、少なくとも今後及川が表を歩けなくなるのが目に見えたため、それ以上及川は何も言えなくなった。
影山と牛島はカメラを下ろし、それぞれ及川の拘束を解いてやる。その後岩泉は尿まみれになった及川の体をタオルで丹念に拭いてやり、軽くシャワーで流してやっていた。
人心地ついた及川はすっかり殊勝な態度になり、今度は何を言い渡されるのかとびくびくしていた。
「い、岩ちゃん……さっきの、おしっこで汚しちゃった椅子とかシーツとか片づけちゃったけど、もう大丈夫なの?」
「ああ。あれはもう使わないからな。安心していいぞ」
岩泉の言葉にほっとした及川が、シーツを剥がされていない方のベッドに裸体を転がす。
「で、でもさ……ウシワカちゃんの分、まだ残ってるよね?」
「そうだな。どうしたいのかは、俺たちも何も聞いてねえからな。ウシワカ本人に聞いてくれ」




「えっと……その……ウシワカちゃんは」
「若利と呼べ」
「は、はひっ!」
存外低い声で、かつ命令口調で指示をされると、反射的に言うことを聞いてしまうように及川は牛島に躾けられていた。
シーツの張られたベッドに腰かけているのは及川と牛島だったが、シーツを剥いだ方のベッドに腰かけているのは影山と岩泉。いずれもカメラを構えて、いつから撮り始めるかのタイミングを窺っていた。
「もう撮っていいぞ」
服を脱ぎ始めた牛島が短い言葉で影山と岩泉に指示を出す。
脱ぎ終えるなり牛島は、及川を膝の上に乗せて、ローションを手に取り温め始めた。
「ね、ねぇ……若利」
振り向きざまに及川が問う。
「なんだ、徹」
「これ、いつものえっちと、どう違うの?」
いつもの。この四文字の響きに、岩泉と影山それぞれが怒りを覚えた。
普段から名前呼び同士なのかこいつらは。自分たちは名字でしか相手のことを呼んでいないのに。
本来の役割を忘れて牛島に食ってかかりそうになった二人だが、今は牛島の番だという事を寸でのところで思い出し、カメラを回し続けた。
「大して変わらん。所謂『ハメ撮り』というやつを試してみたかっただけだ」
それかよ!
影山と岩泉の脳裏に、同時に同じ言葉が浮かんだ。
確かに背面座位ではハメているところなど撮りようもない。だからこそ今日の企画で試したかったのだろうか。
そこまで考え、影山は気付かなかったが、岩泉はもう一つの裏があるのではという疑惑に到達した。
いや、まだ何かある。ここまでの流れを無視してハメ撮りを敢行するだけでは、最後という特権を自分から投げ捨てているのではないかと。
現に及川の膀胱には、まだ大量の尿が蓄積している。それらを出させるも出させないのも、牛島の自由ではあるが。
まさか。考えが及び、岩泉は胸中で地団駄を踏んだ。ヤりながら粗方漏らさせて、最後に自分から放尿させる気か、こいつ。いいとこ取りじゃねえか。気付け影山、天然に見せかけた知能犯だぞあいつ。
しかし、岩泉の願いは、天には届かなかった。
尻をいいようにいじり倒された及川は今まさに牛島と繋がらんとしているところで、長く太い剛直が及川の徒花を瞬時に散らし、甘い嬌声が及川から上がった。
「あ、あん、若利、若利ぃ!」
影山にとっては意外、岩泉にとっては案の定。牛島が及川の体内を突くたびに、及川の鈴口からは、たらたらと尿が溢れ出てきていた。
「やっ、でちゃ、でちゃってるからぁっ!」
「気にしなくていい」
放出を我慢しようとしてギュッと締まる体内を堪能しつつ、牛島は穏やかな語り口で及川をなだめる。
「……ホント? 若利、俺、おしっこしていいの?」
「ああ」
ぐちゅぐちゅ。結合部からも淫猥な音がするが、及川の陰茎から漏れ出る尿のジョロジョロという放出音も、カメラに搭載されているマイクは拾っていた。
「……うん。下、シーツしかないけど、して、いいんだよね」
「問題ない」
「じゃあ……しーしー、する、ね」
両膝を牛島に抱えられ、幼児が用を足すときのような恰好をさせられたまま、及川の自主的なしーしー……もとい、放尿が始まる。
最初は小さかった放物線が徐々に大きくなり、シーツの上に生まれた水たまり上でぱしゃぱしゃと跳ねる尿。
はぁ、はぁ、と満足そうに牛島に頬擦りしながらの及川の放尿はしばらく続き、一部はベッドの外へまで飛散していたが、目を輝かせて一部始終を撮影する影山とは対照的に歯ぎしりしながら悔しがる岩泉の二人は、散々楽しんだ牛島一人に如何にして後始末を押し付けるかを思案していた。
「んっ……あぅ……若利……なか、でてるぅ……」
ちゃっかり中出しした分も含めて、だ。


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