作文 | ナノ

「周助お誕生日おめでとう」
「ありがとう。日付がかわってすぐに電話だってもらったし、今日は顔を合わせるたびに祝ってもらってるのは僕の気のせいかな」
「気のせいじゃないよ」
「……これが気になる?」
「なる。誰からとか、聞いてもいい?」
「わからないんだ。机の上に置かれてて、名前もかいていないから」
「……そう」
「やっぱり嫌かな、こういうの」
「ううん、そんなことは……半分くらいはない」
「半分くらい?」
「いくらその、彼女だって言っても誕生日お祝いだよ、おめでたいことだよ。みんな周助のことを想って時間とお金をかけて選んでるんだもの、受け取らないでとか、私に言う権利はないよ」
「なるほど」
「だからその分他の人より沢山言葉を掛けようとおもって。サボテンも声をかけると綺麗な花が咲くんでしょ?」
「サボテンはね。僕はこれでも人間だから」
「わかってるよ。こんなにたくさんの人に好かれて慕われてる素敵な人間だよ、間違いない。だって私も大好きだもの」
「ふふ、ありがとう。嬉しいな、きみがそう言ってくれるの」
「これであわよくば周助を奪ってやろうとかいう女が近寄ってきてたら、でかい顔して一日中傍にいようかと思ったよ」
「本当?ずっとそばにいてくれるの?」
「それはもう、ワンピースのイワさん並にでかい顔してくっついててやろうかと思ったよ……」
「僕も特になにも無くてもカイドウ並みに大きな態度で君の彼氏ですアピールがしたいけど」
「え!?嬉しい!一日中傍にいてくれるの?」
「多分初耳だと思うけど、最近可愛い子と言えばの時に君の名前が上がるんだよ。気が気でないからね。そんなこと僕が近くにいる時に言えないようにしてやりたいよ」
「こ、怖……」
「でも好きでいてくれる彼女がいて僕は幸せ者だよ。ありがとうね、次は君の番だから、楽しみにしててね」
「一生好き」
「僕もだよ」
「もう授業初めていいか?不二は自分のクラスに戻りなさい」
「不二、放課後グラウンド30周だ」
「手塚」
「俺からの誕生日プレゼントだ」
「不二、自分のクラスに帰りなさい」

2022/02/28 お誕生日おめでとうございます
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