作文 | ナノ

「ん?あれ?おーいなまえ」
「あれ?精…い……ち」
「なまえも買い物?」
「そ、そう、です、けど……え」
「うん?幸村クン知り合い?」
「知り合いというか。二人にも紹介しておこうかな。俺の彼女です」
「アッみょうじなまえです!今日は…なんだっけ!?三人のアイドルデビューとかそういう!?庶民が近づいてごめんね!?お邪魔しました」
「不思議な事を言うね。僕は青学の不二周助だよ、よろしくね」
「ふじくん」
「俺は四天宝寺の白石蔵ノ介。よろしゅうな」
「しらいしくん」
「二人ともU-17合宿の同室で仲良くなったんだよ。聞いてる?」
「え〜〜〜ん精市ソロでも強いのに倍にならないで」
「聞いてる?」
「うん?でもなんか二人とも見たことある気がする…立海と試合したことありますか?」
「あるよ。でもきみみたいに可愛い子が応援にきていたのなら、忘れないと思うんだけどなぁ」
「急なファンサ!精市聞いた!?」
「暗に寝坊を責められてるとは思わない?」
「不二くん推せるな……」
「は?」
「うーん、俺はなんとなく見覚えあるような気がするんやけど、その時は髪結んでなかったような?」
「髪はその時によるけどもしかして認知ある?白石くん推せる……」
「おい」
「髪おろしてるところも見てみたいな。僕は今日の髪形も可愛いと思うけどね」
「エッやば不二くん好きだな…‥」
「は?今なんて」
「うん、不二くん推せる。今度青学の応援行きます」
「本当?ありがとう。日程決まったら教えるから連絡先教えてよ」
「いいんですか!?繋がり…不二くんのファンに殺されないかな大丈夫かな」
「ちょっと待て何してんの」
「白石くんはマジで面識ゼロなので色々聞いてみたいです」
「え、ホンマに?ありがとう」
「ちょっと?日本語忘れちゃったの?」
「一番かっこよくて好きなのはどう足掻いても精市で揺るがないんだけど!それとこれとは別なので」
「いやだめだ俺は許さないよ。浮気だ」
「嘘!?浮ついてないよ!」
「目の前で浮気するなんてね……俺の事好き好き言ってたのは嘘だったの?」
「嘘じゃないです」
「なんだか意外だな、幸村って結構独占欲強いんだ」
「不二?ちょっと静かにして」
「ふふ、ごめんね。面白いね」
「不二クン本音漏れとるで」
「安心してよ私が一番好きなのは間違いなく精市だから、ラブなのは一人しかいないから」
「でも青学の応援行くんだろ」
「はい……」
「ま、まあまあ幸村クン、ちょっと落ち着き」
「白石も静かにして。いま俺はこいつを躾けてるんだ」
「私の事を何だと」
「白石聞いた?幸村すごいね」
「見かけによらず激しいもんなぁ幸村クンは」
「〜〜〜っあ〜〜!もう!なまえは俺の彼女だろ!?」

しん、と一瞬静まって、思わず無言で不二くんと白石くんと目を合わせてしまった。みるみるうちに耳から首まで真っ赤になった精市が「何なんだよもう…………」と顔を覆って座り込んでしまった。それはこっちのセリフなんだけど、やばい、レアだ。可愛すぎる。嗚咽が漏れかけたので口を手で塞いで耐える。今不二くんが撮ってる動画、あとでおくってもらおう。

「やば……精市かわいすぎない?白石くん見た?」
「真田クンが見たら驚きで倒れてしまうんやない?そのくらいの衝撃がいまの光景にはあったで」
「一生好き…精市……愛してる…」
「当たり前だろ!俺だけ応援しろよ!馬鹿!」
「急にIQ下がっとらん?大丈夫か?」
「いいものが見られたなぁ。今日はいい日だよね」
「不二くん、あとで動画おくってください」
「……不二、白石。悪いけど今日はここで解散でもいい?また次の別の日に振り替えたいんだけど」
「構わへんで。むしろそうしないと耐えられへんとちゃう?幸村クンが」
「僕も構わないよ。あ、はいみょうじさんこれ僕のラインね」
「ありがとう不二くん〜!」
「浮気」
「ああもう二人ははよ行き!不二クンはこの二人であんま遊びすぎんなや!」
「ふふ、そうだね、ごめんね?それじゃあ、また」

「…………行くよ」
「えっどこに」
「二人きりになれるところ」
「あ、あー……」
「何」
「いや、……なんでもないです」
「にやにやするな」
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