作文 | ナノ

※ちょっとデレマスアイドルの名前が出てきます

アイドルのプロデューサーは、俺からしたら所謂天職であった。ある時はソロ、ある時はユニット、グループ、フェスティバル、ツアー、ライブ…………。埋もれたダイヤの原石
を見付けて輝かせること。時に上手くいかないこともあれどアイドルたちと二人三脚で歩んで行くのは、過密なスケジュールだとしても、一週間ほど家に帰れなかったとしても。
自身の生活を投げ打ってでも成功させたいと、必死になれる職業だった。そう、「だった」のだ。

久々に一日をデスクワークだけで終え、明日のスケジュールの最終確認。文香のミニライブだが、2回目だ。きっと大丈夫だろう、そう確信を胸に鞄を手にして立ち上がり帰路へ
つく。


「おはようございます!」
「ああ、おはようございます。……あの、プロデューサーさん。社長がお呼びですよ」
「社長が?わかりました。ありがとうございます千川さん」

どこか暗い千川さんに見送られ社長室へ向かう。いざ扉の前に立つと何だか嫌な予感がした。

「失礼致します」

社長室には、我がプロダクションの社長、それから高級そうなスーツに身を包んだ見知らぬ男性。扉を閉めて一礼すると挨拶もそこそこに社長が話を始めた。

「本日を持って君はプロデューサーを解任、このプロダクションも解雇だ。」
「…………え?社長、その、冗談ですよね?だって今日も、あと四時間ほどしたら文香のミニライブもあるし、フェスだって控えていて…!」
「プロデューサーを解任したあと、君は審神者になるそうだ。君はプロデューサーとして優秀だった。だからきっと上手くやれるだろうよ」

もう何も聞こえない。俺の仕事は、「義務」はいつしか「世界」そのものになっていたんだ。


■□

「…ああ、俺、今日から無職なのか」

ベッドの上で一人ごちる。昨日、文香は大丈夫だったろうか。そもそも今日は志希と紗枝がラジオのゲストだし、アーニャと蘭子もミニライブがあって。こまごまと書き込まれた手帳を開かずとも予定はすべて頭に入っている。あいつら、大丈夫かな。新しいプロデューサーがいるらしいけど、俺何も引き継ぎとか用意してなかったぞ。うまくやっていける人材だといいな。ぼんやりしているとインターホンが鳴り響く。はいはい、とよく確認もせずにドアを開けると黒いスーツに身を包んだ男が二人。

「ミョウジナマエ様。寝起きのところ申し訳ございません。出かける支度をお願い致します」
「は、え、すいませんがどちら様ですかね?」
「政府のものです。今日からあなた様は審神者になるのです」
「さにわ?」

こんなかんじで連れて行かれて初期刀えらんで始まる本丸ライフ
なおアイドルのことは忘れられない模様
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