00-開幕
あの日、たった一晩で壊滅した宝生一族
祖父と共に逃げ延びた宝生世那は呪術界から姿を消した
しかし数年後、彼女は戻ってきた
祖父の死を乗り越え、命の恩人である恩師に会う為に
この決断がどのような未来を辿るのか
それは世那にも判り得ない
この時点では無数の未来が彼女を待ち受けているのだから
並行世界という言葉を聞いたことはあるだろうか
今自分がいるこの世界と似ても似つかぬ世界のことだ
そこでは自分と同じ人物が僅かに異なる生き方をしているという
決して交わることのない並行世界は選択の数だけ存在する
何を食べたか
何処へ向かうのか
誰と居るのか
無数の選択肢の中で何かを選び人は生きている
様々な選択肢が複雑に絡み合い今が在る
これは宝生世那が五条悟を選ばなかった世界
無数の世界の中の一つの物語だ