子供じゃない
「マシロ」
名前を呼ばれて振り向けばそこには恩師のカカシ先生がにこやかに立っている
いや待って、火影様がなんでアカデミーに来てるの
「…なんでこんな所にいるんですか」
「来ちゃった」
はあ…とため息をはいてからカカシ先生にお茶を出した
今は私の授業は無いから職員室でデータ整理をしていたんだけど、こんなところに火影様が来てるのに放って置く訳にもいかない
「仕事放って何してるんですか」
「やだなー、立派な仕事だよ」
「へー、そうですか」
「アララ、マシロってば全然興味なさそうだね」
「私は仕事中なので」
きっぱりとそう告げると、カカシ先生は「昔は先生〜って抱きついてきてくれたのに」とか悲しそうな顔をされた
抱きついた事は無い、断じてない
「それより本当にどうしたんです?何か任務絡みですか?」
「いや、マシロに会いに」
「…」
確か20歳の頃カカシ先生にそれとなく恋愛感情を向けられたこともあったけど、私は先生のことは恩師としか思えない
年齢とかの問題じゃなくて、お父さんのようにしか思えないのだ
「なんてね、分かってるよマシロは木ノ葉丸と結婚した、いやー先生嬉しいよ」
頭を撫でる先生をちらりと盗み見ると、本当にもう吹っ切れた顔をしていたのでホッとする
「そういえばサスケはどうしてます?最近全然連絡出来てなくて」
「サスケなら近い内に帰ってくるよ、定期的にサクラに会いに来る辺りアイツも大人になったのかねー」
「サクラの片想いは凄かったですもんね」
アカデミーの頃から始まって、色々あったけれどサクラの一途な思いがサスケに届いて本当によかった
「ところで木ノ葉丸とはどうなの?」
「どうって…仲はいいと思います」
「そうじゃなくて、夫婦なんだから少しはアダルトな事も「教え子に何言ってるんですか!最低!おいでミケ助!!」
「ちょ!マシロそれはまずい!」
顔を赤くした私が思わず口寄せで猫又のミケ助を呼び出せば、カカシ先生は真っ青になった
けれど気にしているところを突かれたこともあり私の意識はカカシ先生に攻撃することしかなく、物の見事に職員室をぶっ飛ばした
「おーい、木ノ葉丸!ちょっと手伝ってくれ!」
「イルカさん、どうし…って、何事だコレ?!」
アカデミーの職員室が爆破したかのように粉々に砕け散っている光景に唖然とした
敵襲か?と考えているとイルカさんがマシロの頭を少し小突いた
「お前の嫁がやったんだよ」
言われた意味が理解出来なくてマシロを見れば反省しているのかしょんぼりしている
「ご、ごめんなさい!」
涙目になった嫁が可愛いのだが、この状況はどうしたものか…
至急モエギとウドンに連絡を取り片付けを手伝うことにした
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