07.
何やってんだろ、私。
げほっ、と口から血が垂れる
お腹を触ると、ヌルッとしたものに触れる
ついさっき、私はかつての親友……閑馬を攻撃しようとした。
頭が真っ白になった私は、必死で止まるように祈った
するとどうだろう。尾は閑馬に向かっていたはずがUターンして、私のお腹に突き刺さった
『閑馬、無事かな………』
ああ、雨が降ってきた
こんな姿、斬島さんが見たらきっと………
「白狐!」
斬島さん…?
振り向くとそこには、
「白狐っ…降りておいで!帰ろう、一緒に!」
「怪我の手当すんぞ、降りてこい。…血みどろじゃねぇか、お前」
「白狐ーー!それイテェだろ、手当しよーぜーー!?」
『…………佐疫さん…田噛さん、平腹さん………
ごめんなさい』
私はふわっと薄く笑って、涙を零した
ドガァァァァアンッ
※斬島side
「ただいま、白狐」
部屋に入ると、いつもの白狐の元気な声が聞こえなかった
「……白狐?何処だ、」
ガチャ
「斬島ー、ここに佐疫いるー?」
「田噛と平腹を知らんか」
入ってきたのは、木舌と谷裂。
「いや、来ていないぞ。居ないのか?」
「うーん、佐疫にちょっと聞きたいことがあったんだけど…どこにもいないみたいなんだ」
「今日は俺と平腹と田噛で鍛錬の予定だったのだが………サボりか、アイツら。チッ…見つけたらタダじゃおかんぞ」
と、その時。
白狐の鳥居から、少年が飛び出してきた
「っ突然済まない!!キリシマという男はいるか!?」
「…斬島なら俺だが。お前は?」
「おれのことはどうでもいい。頼む、助けてくれ!!
白狐の妖力が暴走して、水色の瞳のやつと橙と黄色がやられた。…キリシマを呼んでこい、と頼まれた!頼む、力を貸してくれ……っ」
「!…白狐が、?」
「水色って…佐疫が、白狐に攻撃されたってこと…!?」
「田噛と平腹が、あんな小娘にやられただと…?」
「いいから、早く!!このままでは、白狐も……!」
「……木舌、谷裂。お前らも行くか?」
「勿論。仲間が傷つけられたとあっちゃ、放っておけないよ」
「無論だ」
← ∵ →