06.
『ごめん、なさい……………嘘ついて、…ごめんなさい』
忘れてた筈だったのに
笑えてた筈だったのに
「…っ白狐、落ち着け!!」
目の前には、かつての親友。
『………っ、ぐす、…っうぇぇぇぇん』
大声を上げて泣く
私の意志とは無反対に、私の九本の尾は閑馬を攻撃し続ける
そして閑馬が、バランスを崩して転んだ
あ、
「(やば、……やられ)」
ドォォオンッ
※閑馬side
「………白狐?」
一体どうなったのか
おれの身体傷は一つもなく、さっき絶対に当たった筈の怪我も見当たらない
「………白狐は何処に…?」
先程まで白狐が立っていた場所は何もなく、その代わりただ点々と血が続いていた
「閑馬っ……無事だったのか、良かった…白狐は、?」
その時、獄卒の奴等が完全防備で帰ってきた
「怪我はない?大丈夫…?」
「……っさっき、白狐の尾がおれに当たりかけたんだ。その時、…凄い音がして、…白狐が……」
垂れた血の後を指さした
「…おい、そこの狐。ケガねぇなら走れんだろ、行くぞ」
「いこいこー!!てかもし白狐が俺らに危害加えたら、なんか罰受けなきゃなんねんじゃね?」
「俺らなら大丈夫だけど、閑馬とか通りすがりの人間に危害加えたら厳罰だね。……嫌な予感がする、行こう」
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