08.


俺を呼びに来た少年と共に、白狐がいると言われた場所へ向かう


開けた場所に出た。



「……っ佐疫、平腹、田噛!」


地面には、血を吐いて倒れる3人の仲間



木舌が駆け寄り、谷裂と俺は神社の屋根に座る血だらけの巫女服を着た狐を見上げた


「…あの娘、あんなに大きかったか?」


「いや、…普通の人間の大きさになっているな」


「恐らく、尾が九本になったことで妖力が元に戻ったんだ…」


白狐は耳を塞いでいた


泣いているのか、肩が震えている


俺が一歩歩くと、白狐の肩がびくっと跳ね


白狐はゆっくりと振り返り、俺を瞳に映した


『っぁ、……ごめん、なさ、い』


「白狐、降りてこい」


『斬島さ、ごめんなさい、わたし、わたし、』


「怒っていない。だから、」


『もう、止められないの』


その瞬間、白狐の尾が横を掠め


後ろにいた谷裂と木舌に直撃した


「がはっ……!!」


「ぐ、……っ油断、したね…っ」


白狐は涙で濡れた目を閉じた


「白狐………っもう、やめろ…!」


俺を連れてきた少年が、泣きそうになりながら叫ぶ


『斬島さん、皆を連れて帰って


…………私はもう2度とそっちには行かないから


そもそも妖狐の私がこっくりさんになんかなったのが、おかしかったの


あのまま……一族の忌狐のまま、一生を終えれば良かったの


だから、私は何処かに旅して誰にも見つからない所で死ぬ


ごめんね。短い間だったけど、楽しかっ…』


白狐の言葉を遮り、言った



「白狐、質問だ



お前は俺達のことが好きか?」



『……え?』



「お前はこっくりさん≠セろう。


質問だ、答えろ。白狐」


『…………そ、んなの…


好きに、決まって』


「ならばこの話は終わりだ。俺はお前を置いて帰らない


白狐に何か悲しい過去があったのは知っていた。


だが俺はそれを聞かなかった。


何故か分かるか?」


『…………わから、ない』


「今≠ィ前が幸せなら、過去の事はどうでもいいと思ったからだ」



『…………………』


「俺がいない間に何があったのかは分からない。それは後で白狐本人から聞こう。


お前はさっき、俺にごめんなさいと謝った


それは何に対して、だ?」


『………っそれは、…私、皆を傷つけた…』


「他の奴等は、お前に謝れ≠ニ言ったのか?」


『それは、っ言ってないけど、でも、…謝らなきゃ、って!』


「自分で気付いているんだろう、白狐」


俺は言葉をそこで止め、白狐の立つ場所へ近付く


『……や、やだ……来ないで、

私、斬島さんまで…傷つけなくない…!』


その言葉も聞かず、白狐に近づく


『こ、来ないで……っ!!』


白狐の尾が俺の頬を掠める


『やだ、やだ、やだ……っやだ、



嫌だっ……!!』



白狐の腕を引っ張り、思い切り抱きしめた



『………!』


「……帰るぞ、白狐」




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