06.


上の階へ行き、それぞれの教室を見て回る


『そういえば斬島さんは、明るい髪の亡者を探してるんだよね?』

「ああ」

『その人を見つけて、どうするの?』

「地獄へ連れていき、罪を償わせる。それが俺の仕事なんだ」

『へえ…』


と言って、一つの教室に入った


その教室は他の教室と違い、机がぐちゃぐちゃに散乱していた


そしてその奥には、茶髪の女の人が。


「アイツだ」ボソッ

『えっ、あの人…?』

「ああ。白狐、隠れていろ」


と、斬島さんは私を上着のポケットに入れてくれた


斬島さんは刀を構え、亡者に近づく


「ここにいたのか」


「………」


「亡者、お前は死んだ。今更逃げても仕方ないだろう」


「亡者呼ばわりはやめて。私はマキよ」


斬島さんと亡者……マキさんの言論が始まる


ポケットの中でマキさんの言葉を聞いていて、いろんなことが心に刺さった


こっくりさん≠呼ぶのは、恋の悩みや自分の未来を聞く人が全てではない


ーーー「あいつを殺してくれませんか」


ーーー「早く死にたい。どうして自分は生きてるの」


ーーー「助けて。あなたこっくりさんなんでしょ、早く助けてよ…」


「誰も、……私を見てくれない」


ザーッと何かがフラッシュバックし、マキさんの声が聞こえなくなった


「逃げたか……白狐、大丈夫か?」

『うん…あの人、…』

「………気にしなくていい。行こう」



と、斬島さんは足元に落ちていた金具を拾い上げた


「白狐、これが何か分かるか?」

『それは、…ネックレス…の1部、かな?でもまだ足りないよ、もっと必要』

「ネックレス………マキの物か」

『大切な物なのかもしれない。持っておこうよ』

「ああ、そうしよう」



教室を出ると、斬島さんが突然私を手で覆い隠した


『わっ、え?斬島さ、』

「あの亡者だ。…白狐がもし見つかったら何かされるかもしれん」

『……っ』


あの亡者がいると聞いて、息を潜める


スタスタと斬島さんが歩き、マキさんを追いかける


マキさんは気付く様子も無く、そのまま歩き続けた


そして階段に差し掛かった時、マキさんは消えて代わりに鍵が。


「鍵か…」

『校長室の鍵、って書いてあるね』

「校長室か。確か職員室の奥にあったな」



階段を一番下まで降りる


『…あれ?田噛さんとか平腹さんが居ない?』

「アイツらの事だ、また何処かフラついているんだろう。校長室は……ここだな」


カチャリ、と鍵を開けた


中には、不気味な校長の肖像が5つ並んでいる


『ちょっと、怖いね…』

「大丈夫だ。白狐は俺が守る」

『……っ、あ、ありがと…』


佐疫さんといい斬島さんといい、獄卒さんって皆こんななのかな…


心臓に悪いよ、正直…。









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