03.


泣いている間に、私は見たことのない綺麗な施設に移動していた


そして、その施設には水色の目の獄卒さんが。


「斬島、おかえり。どうかした?」

「佐疫、済まないがこいつを泣き止ませてくれないか」

「……この子は?」

「こっくりさんの怪異だ。田噛がうっかり泣かせてしまってな」


じっ、と水色の人に見つめられる。


またさっきの人のように睨まれるのか、と思い怯えながら見上げる


すると、水色の人は優しく微笑んで私に話しかけた


「初めまして、俺は佐疫。君の名前は?」

『……っ白狐、です…』

「白狐。君はこっくりさんの怪異なんだよね?」

『うん、』

「ごめんね、俺の仲間が泣かせて。田噛には後で言っておくよ」

『……ううん』

「アイツ、目つきは悪いけどホントは優しいんだよ。あと君には、泣き顔より笑ってて欲しいや」笑


『……!』


歯の浮くような口説き文句に、ちょっとだけ顔が熱くなる


「あ、泣き止んだ」

「有難う、佐疫。助かった」

「ううん。…この子可愛いね」

「小さいしな」

「任務の後も此処に住んで欲しいぐらいだよ。肋角さんに頼んでみようかな」

「いいんじゃないか。…それでは、俺達は任務に戻る」

「ああうん、斬島に白狐。行ってらっしゃい」

『う、うん!佐疫さんっ、またね!』

「ばいばい」笑




「…落ち着いたか?」

『うん。見苦しいとこ見せてごめんなさい…食べられるかと思っちゃって』

「流石に食べやしない。そもそも俺はお前に手伝ってもらっている立場なんだ、そんな非礼はしない」

『さっきの、…田噛さん?…怒ってるかな』

「何故だ?」

『私、生意気なこと言っちゃったから…後で謝らないと』

「別に謝らなくていいだろう、お前は何も悪くない。寧ろ俺達が詫びるほうだ、済まなかった」

『えっ!?い、いや私怒ってないし…私こそごめんなさい!』

「……お前は不思議な奴だな」

『え?そ、そう?』

「ああ。………保健室はここだな、入ろう」






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