01.


ーーー「こっくりさん、こっくりさん、おいでください……」



またか。私は1つ小さくため息をついて、声の聞こえる方へ跳ねた


目の前の景色が変わり、夕方の学校の教室へ。


3人の男子生徒が机に座り、1枚の紙を囲って座っている


「こっくりさん、こっくりさん、おいでください…」

「おい、やっぱ居なくね?動いてないじゃん」

「何だよ、やっぱガセかよ。心配して損した」


私は10円玉に近づき、頑張ってはい≠ワで動かした


「…おい、これ…誰だよ動かしてんの」

「俺じゃねぇよ、お前だろ?」


早く質問してくれないかなぁ…


とか考えていると、1人が食い気味に言ってきた


「とっ、隣のクラスの田中さんはっ…す、好きな人、いますか?」


しーんと静まり返る中、私は頑張って10円玉を動かした


いいえ


「い、居ないって…!チャンスあんじゃん俺!」

「何言ってんだよ、コイツが動かしたに決まってんだろ」

「は?俺じゃねーっつってんだろ、お前だろーがどうせ」

「ならお前、なんか質問してみろよ」

「…べつにいーけど…」


渋々といったかんじで、その男は質問した


「俺は、何歳で結婚出来ますか」


また一生懸命動かして、18≠ニ示す

「…!じゃ、じゃあその相手は…?」


また10円玉を動かそうとした時、一人の男が10円玉から手を離した


その瞬間、私は元の鳥居へ戻される


こっくりさんの都市伝説では確か手を離したら帰ってくれなくなる≠ニいうものらしいのだが


本当は、帰ってくれないんじゃなくて帰るのが早すぎて帰ったことに気付かれないんだよね…汗


『……あーあっ、暇だな…』


そう思い、仲のいい友達の所へ遊びに行こうと思い立つ


『よしっ、行こう!』







目の前の景色が変わり、もふっと何処か柔らかい所に落ちた


ここは…?と、周りを見渡す。


『花子ー!遊びに来たよぉ』

「あら、白狐もいるの。いらっしゃい」

『白狐も=H……』


どういうことだろう、と頭を悩ませていると


急に足元から凛とした声が聞こえた


「お前も怪異か?」

『うぎゃ!?』


びっくりして足を滑らせ、柔らかい地面から落ちる


やばい、このままじゃ___っ



と思った瞬間、ぽふっと受け止められた


「済まない、驚かせるつもりは無かったんだ」

『に、人間…?私が見えるの?』

「俺は人間ではない、獄卒だ」

「私のリボンを探してくれるんですって。…そうだ、白狐も着いて行ったらいかが?」

「『え』」

「獄卒さん、その子はこっくりさんの怪異なの。分からない事があったらその子に聞きなさい、きっと役に立つわ」

『わ、私紙と10円玉が無いと…』

「今日だけはサービスにしておいて頂戴、白狐。今度遊びに行ってあげるから」

『ほんと!?なら着いてく!よろしくね、えっと…獄卒さん!』笑

「…いいのか?」

『うん!肩に乗ってもいい?』

「ああ。それじゃ行くか、落ちないように気を付けて」

『はーい!』




青い目の獄卒さんと出会いました。




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