小説を詰めていく場所(Log) | ナノ


01


山本/片想い




今日は、目が合った。何となく恥ずかしくって、逸らしてしまった。
多分、変な奴だと思われた……落ち込んだ。

――これが、一月前くらいの私。

今日も、目が合った。頑張って手を振ってみたら、振り返してくれた。少し挙動不審になったかも……不安になった。

――そして、お待ちかね。これが、今の私。

少し成長しているのか、していないのか悩むところ。
チキンなのは、全くの健在だけど。相変わらず、出逢った後は反省会を心の中で開く日々。

違うクラスになってしまったのは、最終的に感謝。逢う度に、こんな調子だったら、心臓が持たない。

時々、そんな自分が何だか、凄く女々しい気がして嫌になるけど……好きになってしまったんだから仕方ない。

手遅れだって、諦めることにしましょう。

* * *


「姫っ、久し振りなのな! あっ、そうだ……どう? 」

「えっ?」

クラブ活動中。ばったりと出逢ってしまった彼は、目の前でクルリと一回転した。新しいユニフォームのことらしい。

……良いと思う。やっと、それだけの言葉が喉から出ると、彼は満足そうに走って行ってしまった。
気の利いた言葉が、もっと在っただろうに……。私がそう後悔したのは、言うまでもない。

前は、仲が良かったのに、意識した途端にすぐこれだ。嗚呼、此処からは運動場が良く見える。

いっそのこと、全てバラしてしまおうかな?

……いや、無理。

どうやら、私の葛藤の日々はまだ続くらしかった。

I LOVE YOUを校庭から
(これが精一杯なんですっっ!)



驚く程、スラスラと書けました。
ヒロインさん頑張れ!な話です。

1月18日 灯亞



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