小説を詰めていく場所(Log) | ナノ


01


スクアーロ/ギャグ甘?





「…………」

「…………」

これは、一体どんな状況だろう?

例えるとするならば、見合いの席で、なんとかポツポツと話しは出来ていたものの、付き添い人が私達は此処で……と言
って出て行った瞬間、何を話して良いのか分からなくなり、結果的に話しをしていたのは自分達ではなくて、付き添い人が話しを振っていてくれていたのか……と気付き、急に有り難みが湧いて来た時の状況。

……って、オレは見合いなんてやったことないけどなぁ。

誰でも分かるように説明すると、オレの目の前にはやっと想いが通じ合った彼女、姫がいて座っている。

で、微動だにせずにオレの顔をガン見しているから、オレも動くに動けれない。
動けない理由は、それだけじゃねぇけどなぁ。

姫を部屋に呼んだのは今日が初めて。何を話せば良いのか……。

取り敢えず適当に座れぇと言ったら、姫がまさかの床に座ったから、オレも自然とそうしたのだ。

普段喋っていた内容を思い出そうとしたが、そういう時に限って出て来ない。

…………

……

しかし、かれこれ10分近く床に正座状態だぁ。正直かなりキツイ。姫も眉に皺寄ってるし、脚が痺れているのは間違いないだろう。

まずは、この沈黙をどうにかしたい。

あ゛ぁ、何か話すこと、何か話すこと……恋人同士ですることとか何か……。

「手、でも繋ぐかぁ?」

「えっ、……うん」

しまった。願望が出てしまった と思っていると、刹那、思考が止まった。

原因はズイッと差し出された彼女の手……というかポーズ。

それは、所謂お縄頂戴な体勢。

「……プッ」

思わず吹き出す。

「お前、緊張し過ぎだろ?」

「なっ、スクだって!」

彼女と彼の恋愛偏差値
(二人揃って)(平均以下)



取り敢えず、椅子に座ろって言えば良かったのに。
3月5日 灯亞
お題:なきむしシェリー
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×End