小説を詰めていく場所(Log) | ナノ


01


フラン/甘




「フランー、覚悟っ!!」

「……」

暇な休日、あともう少し暇だったら自室で寝てやろうと思っていた時、背後からよく知った声がして、その場にしゃがむ。

頭上――と言うか、カエル帽子の上でブンッといった風を薙ぐ音が聞こえた。口元が上がる。

「ちっ、くらえ!」

盛大な舌打ちの後、襲撃を仕掛けて来た張本人である姫、ミーの従姉妹でもある彼女は鋭い蹴りを繰り出してきた。

しかし、その蹴りはミーに当たることなく……。

「なっ!」

姫の短い悲鳴と共にそれは勢いを失った。姫の蹴ろうとしたのは言わずもがな、ミー。

しかし、今やその目標は、見たら誰でも悲鳴をあげそうな蛙へと刷り変わっていた。

勿論、ミーの幻覚なんですけどー。

「それ、ミーの帽子ですよー。詰めが甘いんですよー、姫は」

彼女が、茫然としている合間に背後に回り込む。

「え? わわ……んっ!」

そして、彼女の肩を引いてキャッチ。
完全に動きを封じると、試合終了。

「っ、また負けた」

「通算100敗目おめでとうございますー、姫」

「るさいっ、これでも成長してるんだから!」

バタバタと喚いている姫。
確かに、フランを倒してやるんだからっ! と言っていた初めの頃よりは大分マシになってきていますけど、やっぱり、まだまだ。

「はいはい。次回は頭を成長させましょーね」

あんな大声出されたら、不意打ちの意味がないでしょー?
まぁ、そんなバカ正直な姫も嫌いじゃないですけど。

「……ぷっ」

たまに会える、この時間が楽しみだってこと姫は気付いてないでしょうねー。
そう思ったら、何か笑いが込み上げてきた。

「なんで、いきなり笑うのよ」

「もう少し強くなったら教えてあげますよー」

だから、それはつまり……







バトルに挑戦。
動きとか分かっただろうか心配……。
何て言うか、臨場感?が欲しいです(ρ_;)

5月2日 灯亞。





×End