小説を詰めていく場所(Log) | ナノ


最高の御褒美01


「いった…!」

任務から帰ってきたばかりの姫はカリファに付き添ってもらい医務室に来ていた。

「我慢しなさい、ちゃんと治療しないと」
「うん…」

今回姫が受けた任務はかなり難しく結構な怪我を負ってしまった。
政府にとっても重要な任務で姫がその任務をすることを反対した人も少なくなかった。

「これでみんな認めてくれるといいんだけど…」

姫はCP9の中ではまだ若く、実力を疑われがちだった。
少し不安そうにしている姫にカリファは何も言わず微笑んで見せた。
姫もそれを見て安堵したように微笑み返す。

姫の治療がほとんど終わった頃医務室のドアがノックもされずに開かれた。そしてそのドアをくぐり抜けてルッチが姿を現した。
思いがけない訪問者に姫は目をしばたたせる。

「あら、来たのね」

カリファは特に驚いた様子もなく初めから知っていたようにルッチに声を掛けた。

「そろそろ交代ね」

カリファはそう呟くとルッチに近づいた。そしてルッチと小声で2、3言葉を交わし姫に手を振ってドアに向かった。
呆けていた姫はハッと我にかえって出ていくカリファに急いでお礼を言った。



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