不意打ち
スクアーロ/仄々
-------------------
「そういえばさ、伸びた」
「ああ?」
他愛もない話を幾らかグダグダやった後。任務も無くて暇な日。
ほらほら、と姫は鬱陶しくなってきたらしい髪を摘んだ。
そういやぁ、伸びてんな……。
最近切ってやったのは何時だったか。一ヶ月前であることは確かで。取り敢えず、引き出しに仕舞ってある鋏を取りに立った。
「肩ん所で揃えるぞぉ」
「ん、よろしく」
「伸ばさねぇのか?」
正直、もったいないと思う。オレと正反対の色を持つ、柔らかいそれは動く度にサラサラと揺れて綺麗だった。
「手入れとか面倒でしょ?」
「慣れたら楽だけどなぁ」
ヴァリアークオリティで一発。長年の研究を積み重ねて作り上げた技だ、アレは。
「まあ、長いのも良いかもね。スクみたいで」
「……う、う゛ぉい」
サラリと紡ぎ出された言葉。それは反則だろぉ。
――ちょっと照れた。
(ザクッ)(ああー!)
-------------------
短かっ!
突発ネタです……。
スクさん髪切るの上手そう。
8月3日 灯亞
.
×End