小説を詰めていく場所(Log) | ナノ


名前を何度も呼ぶ理由


スモーカー/微々甘?
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「大佐ぁー……ねえ、スモーカー大佐ってば」

さっきから、それはもう根が生えたんじゃないかと思う程に机に向かいっぱなしの大佐に呼びかける。
大佐の机の上には書類の山がそびえ立っていた。その山を今日中に片付けなければいけない大佐は呼びかけを当然の如く、無視。

最初の頃は生返事が返ってきたのだが、私に大した用事は無いと分かった瞬間からダンマリへとスイッチを切り替えってしまったらしい。

「……"ケムリン"」

「あァ?」

某海賊船長発案のニックネームをボソリと呟くとやっと大佐はペンを止めて、こちらを向いてくれた。機嫌最悪で顔の皺は増量しているが。
「その名で次呼んだら、甲板に放りだすぞ」

そんな後生な。
まだアラバスタ海域から出てもいない船の甲板なんて、フライパンの上よろしくな事になっているに違いない。卵落としたら、あっという間に目玉焼きだ。雑用達でさえ熱中症を避ける為に船の中へと引っ込んでいるのに。

大人しく、忙しなく動かしていた足を止めた。

「暇なんです」

私が手伝ったら余計にややこしくなるらしく、こうして時間を持て余している訳だが……本当に暇だ。

「そうか、生憎おれはこんな状態だ。お前と違ってな」

視線を書類へと戻してしまった大佐。

暫くペンが走る音だけが響く。やけに短く見える。手、大きいからかな。

「ったく、静かに待ってらんねェのか」

「えー、だってアレですよ? 海軍って結構危ないお仕事じゃないですか。何時チーンってなっても可笑しくないし」

――おっと、またペンを置いてくれた。

「今のうちに沢山大佐とお話ししておくんです!」

「ハッ。そんな大層な理由からか? らしくねェ。ただ暇なだけだろ」



「さてさて、どーでしょ?」

ニンマリ。自覚出来る程に、口元が上がった。



(やっぱ、手伝いますよ?)(……2つだ)(?)(誤字2つまでなら許してやる)(おし、了解っ)




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最近、表記に困る。
甘では無いが、シリアスでも無いし……。こういう中途な関係も良いと思うこの頃。

アンケートでスモーカーさんに1票入ってたんで誘発されました作品。

8月16日 灯亞
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×End