小説を詰めていく場所(Log) | ナノ


時場所場合!


ドフラミンゴ/ギャグ
-----------------

最近の悩み事。

悩み……というよりは、気になる事と言う感じだが。どうも姫が素っ気ない。彼女に目をやり、首を捻る。

ドフラミンゴには特に心当たりは無かった。彼が思う限りは何にもしてないし、他の女とも寝ていない。それなのに、姫は彼が近付いたら離れる。その繰り返しだった。

それに気付いた時は、そのうち戻るだろうと気楽に考えていたが、普段ただでさえベタベタと引っ付いて来ない姫が、更に引っ付いて来ないだなんて……!

彼はそろそろ限界だった。

「何か怒ってんのか?」

「……寄って来ないで」

思いがけない否定の言葉に目を僅かに細めるドフラ。サングラスのせいでハッキリとは分からないが。

「連れねぇなあ、情熱的に行こうぜ姫ちゃんよぉ」

「…………」

情熱的、そう口に出した時確かに彼女は反応した。嫌そうに眉を潜めたのだ。
倦怠期ってやつか?
そんなに不快感をあらわにされるなんて。
ドフラミンゴは少なからず驚いた。表情には出さないが。
最悪心が離れてしまっているのならば、縛り付けてしまえばいい。離れるなんてことは赦されない。はてさて、姫には何色の首輪が似合うだろうか。
そんな危ない考えを頭の中で張り巡らせた時だった。

「それ暑苦しいのっ!」

姫がビシリとドフラミンゴを指差した。一瞬何のことだか分からずに面食らったが、何だそういう事か。合点がいった彼は酷く楽しそうに口元を歪めた。

「フフ、フフフッ。これか? これは通気性抜群の夏仕様さ」

「……やだ」

姫が指差したのは彼の着ていた緋色のコートである。確かに暑苦しそうな代物。"真"が付きそうな程の夏島では凶器的存在だ。

「それ何時まで着てる気?」

顔を背けつつ、目を向ける姫。

「姫が言うなら脱ぐぜェ?」

楽しそうにコートへと手をかけるドフラミンゴ。何か嫌な予感がしないことも無いが、ただでさえ暑いのに、フワフワと毛球が視界にうろつくのもなぁ。恐る恐ると意を決して姫は頷いた。
「じゃあ、脱いでよ」

「……言ったな?」

「えっ」

怪訝な顔をした姫にドフラミンゴは意味深にニヤリと笑い、脱いだ。

――器用にシャツもろとも。自然と彼の逞しい腹筋は見事に晒される。

「うわ、変態っ!! ……ちょっ、近づいて来ないでよ」

慌てて後ずさる姫に手を広げて迎える彼であったが、当然姫は飛び込んでは来ない。

「フッフフフッ!」

それでも心底楽しそうに笑い、姫を追い掛けるドフラミンゴは不気味であった。



--------------------

夏の暑さもぶっ飛びます。
ホラー。

8月3日 灯亞
-----------------







×End