小説を詰めていく場所(Log) | ナノ


日なた日和


エース/仄々
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「エース! マルコ隊長が呼んでるよっ」

閉じていた目をゆっくり開くと、前には一番隊の隊員である姫がいた。

自分のことを必死に探していたのだろう。うっすらと汗をかいていて、若干息が荒かった。膝の上に手を当てて息を整えている彼女。

ゆっくりと看板へと背を預けて彼女と向き合う。

「どうせお説教だ」

マルコの用件は検討がついているのに、わざわざ怒られに行く事も無いな。
後々、説教の時間が倍になってしまうのだが……やはりそれは後々の話に過ぎなくて。そん時はそん時だ。なんて安易なんだろう、自分に苦笑いしてしまった。

「後から雷落ちるの決定ね」

「良いって」

姫の腕を引っ張り引き寄せる。自然と姫は前屈みになり、距離が近づいた。そのまま隣同士に座わらせる。

「知ってる? 隊長の説教は長いし、しつこいんだよ?……主に雰囲気が」

「知ってる」

うん、長いよな。
考えてみると、ただでさえ長いのに倍か……。確かにヤバいかも知れない。
しかし、天気が良い。
その柔らかく降り注ぐ陽射しは、此処から動こうなんて気を削いでいくし。姫が隣に居ちゃあ、尚更。

「いい天気なんだ、満喫しよーぜ」

「もう知らないから、どうなっても」

笑いながら、目を閉じる姫。意外と満更でもなさそうだった。

のんびり、まったり
(グー……)(スー……)(良い度胸してるねい、二人とも)





×End