小説を詰めていく場所(Log) | ナノ


初めての恋が終わるとき


ロー/切→甘?
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そもそも私がこの船に乗る理由なんて無かった。
否、正確には私が今無くした。

苦しいだけの片想いだなんて、もう終わり。
足を止めたら思い出してしまうから、自然と早足になるけれど。大丈夫、泣いたりしない。

――本当に苦しいだけだった?
そんな疑問を頭から追い出して、私は船縁へ足をかける。

「さようなら、ロー」



「……おい」

誰も居ないかの様に思っていた甲板。

不意に不機嫌な声が耳に届き、肩を掴まれる。

引き寄せられて船縁から足を離して振り返ると、そこには眉を盛大に寄せたローが居た。何時もの大きな刀は持っていない。

「船長に黙って何処へ行くつもりだ?」

「っ……手、離してよ」

行かなくちゃ、そんなの分かってる。このまま此処に居たら折角の覚悟も揺らいでしまうから。

自由なローを束縛したくないの。……なんて、本当は自分がもうこれ以上傷付きたくないだけ。

「もう一緒に居たくないのっ! 島に上陸する度に香水の匂い付いてるし、お姉さん連れてるし……っ」

「おれの事が嫌いか?」

不意に何時も見せない様な顔をする彼に、口をつぐむ。

即座に首を振った。

そんな顔をさせるつもりなんて無かったのに。
急に襲う後悔。

「そんな、違っ」

――本当はローが好き。

「嫌いな訳、無い! 好き、好きだよ……バカ」

一気に言い終えると、口元を緩めたローが目の前に立っていた。

「そうか、それなら良い。出ていく必要なんかねぇ」

「ふっ……ごめ」

ごめんなさい、そう言いかけた口が不意に止まっる。

重なり合わされた唇には暖かい体温が伝わって。
背中の体温に安心した。
触れ合うだけの軽いそれに頭はクラクラとし始める。

「おれから離れんな」

暫くの間、流れた涙にでさえ気付かずにいた。

……今だけは泣いて良いんだよね?



(また始まる2人だけのストーリー)




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ホムペ内で、初チュー挑戦!
見事に挫折感
(執筆中に奇声を発してました)←


ところで……ヒロインさん最初の方、泳いで脱走しようとしていないかい?

……(°□°;)Σ
アレは、予めボートを浮かべていたのです!!

いや、岸に降りようとしていたって言う方が自然かな?

5月23日 灯亞


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×End