小説を詰めていく場所(Log) | ナノ


くもり空


スクアーロ/ギャグ甘
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時間は、お昼前。

ヴァリアーの幹部、スクアーロは自室にいた。

先程から微妙に、何もやる気にならないのはきっと……この天気のせい。

窓を通して空を仰ぎ見ると、どんよりとしたくもり空がいっぱいに広がっていた。
――雨が降りそうだぁ。

景色を見ながら考えたのは、誰よりも愛しい恋人のコト。自分より少し年下な彼女は、かなり子どもっぽい。

いや、無邪気と言った方が良いのだろう。雨が降れば、機嫌があからさまに悪くなるし、雪が降るとおおはしゃぎ。
……スクアーロは、姫のそんな見ていて飽きないところにも惚れたのだが。

スクアーロがのんびりと、そんなコトを思っているといきなり自室のドアが勢いよく開いた。


「ゔお゙ぉい、ドアを壊すなよ。姫。」

こんな開け方をするのは姫しかいない。しかも、いつも勢いよく開けるためスクアーロの部屋のドアは、よく壊れ、壊されている。

またやられては堪らないとばかりに、すぐさま注意するスクアーロ。
しかし、時はすでに遅し。

「あはは。ゴメンね、スク」


姫は、しっかりとドアノブのところだけを握っていた。

「ゔお゙ぉい!!またか〜!」

「まさか……ねぇ?」

ドアノブを握った姫は苦笑いしながら、「はい、どうぞ」といつもの様にスクアーロへと、ドアノブを手渡した。

「まさか、じゃねーぞぉ!……ったくよぉ。で、何があったんだぁ?」

「…あっ、そうそう大変なの!!」

姫は、スクアーロに言われて思い出したように言った。

……既にドアが大変なことになっている。というのは言えないスクアーロ。

取り敢えず、廊下と部屋の間にカーテンを掛けて姫の話を聞くことにした。


「で、何が大変なんだぁ?」

「そうそう、雨が降りそうなの!!」

「……?」

「だから、雨が降りそうなんだって!!」

大変というからには何かが起ったのかと思い、聞いたスクアーロだったが、返ってきたのは外をみれば誰でも分かること。


「ゔお゙ぉい、雨が降ったら何が大変なんだぁ?」

姫が話そうとしている主旨が、良く分からないのは何時もの事。

今度は、なるべく優しく聞いてみる。

「もう! 明日天気が悪かったら、遊園地に行けないじゃない!」


……遊園地。確かに明日は、2人ともフリーだから遊びに行こうと約束していた。

だから、騒いでたのかぁ。

スクアーロは一人納得。

「ああ、もうスクのせいだぁ!」

余程嫌なのか、次第に八つ当たりしてくる。

「ゔお゙ぉい、なんで俺のせいなんだぁ!」

まったく……と言いながらスクアーロは、側にいる姫をグイッと引き寄せて自分の膝の上に座らせる。

そして、そのまま後ろから姫を抱き締めた。

「んっ…!?」

「もし…明日、遊園地に行けなくても、一日中俺がこうしといてやるぜぇ?」

耳に息がかかるくらいの至近距離で囁かれ姫は赤面する。

「そんなの、反則……なんだからっ」

「…ハッ、何とでも言ってみろぉ」

たとえ、外に出られなくても君がいる
(あっ、そうだルッスーに頼んでみよっかな?)(いや、幾らなんでもムリだろぉ…)




スクアーロ初夢です!!
やっと、甘系が出来ましたよ〜w ギャグは入ってますがね。 …だって、入れないとページ数がぁぁ(泣)

では…お題を貸して下さいました「ひよこ屋」様、此所まで読んで下さった姫様、ありがとうございました♪

6月22日 紅音



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