01
キッド/切?
「どうして……っ、」
声にならない嗚咽が喉を鳴らす。
船に帰ってきた一団から報告を受けたそれは、とても悲しい出来事だった。
「何で、何で一人でいってしまったの」
「……姫」
慰めるように傍に立っているキラーが私の肩に手をおくが、慰めにもなりはしない。島に着いたら上陸して、また次の島を目指す。いたって普通に過ごしていた。それは決して平穏なものではないけれど。こんな事が起きるだなんて想像も出来なかったのだ。
「もう、諦めろ」
「っ……、何でそうやって一蹴出来るのよ! 」
――あんなに、約束したのに。
もしも、その時が来たら2人、せーのっ! でいくんだって。そうでないと、残された方は寂しいし、悲しいから。私から勝手に取り付けた約束だったけれど、『頭の片隅に置いておいてやる』と彼はそう言ってくれていた。キッドの、キッドの嘘つき!
「私もいくっ……」
「それはダメだ」
スッパリと却下されて、唇を噛み締める。
「船員が船長の後をおって何が悪いのよ」
「ダメだ。お前にはまだやるべきことがあるだろう」
キラーの言いたい事はよく分かる。
だけどこれは理屈なんかじゃない。
キラーの手を振り切って船縁に足をかける。
「っ、いかせてよ……」
「この馬鹿!」
仮面の下では焦った顔をしているんだろう。ごめんなさい、キラー。届きはしないけれど心の中で謝る。
「だって……行きたいんだもの、シャボンティーパークっ!」
「待て待て、お前、今日見張り!」
「離せ、ドレッド!」
行ってしまった彼
(ヒャッホー、次はジェットコースターだ!!)(お頭ーー)
すいませんした。
注意マーク(*)はキャラ壊れ注意って意味のそれです。
3月19日 灯亞
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×End