01
ルッチ/ギャグ
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「暑い」
「…………」
「暑いんだが」
「…………」
「なぁ、あつ」
「だぁあー!! っるさいわ」
さっきから同じ事しか言わないルッチへと蹴りを噛ます。
ああ、鉄塊って技無ければいい。なんて、この時ばかりは本気で思った。脚がヒリヒリする。
「そもそも暑い暑い、連呼してるから、尚更なのよ。涼しくなるような事でも言ってれば?」
こう何度も耳元で囁かれるなんて勘弁。
因みに私は今読者中だ。物語はクライマックスへと突入しつつあると言うのに。
ちっとも集中出来やしない。本の中では、女の人が横たわった男を目の前にして短剣を持って騒いでいる。
嗚呼、ロミオー。
「布団が吹っ飛んだ」
「違うわ、バカヤロウ。真顔で言わないでよね」
そこは可愛く、寒い寒いーとか言い出すべきだろう。それはそれで鬱陶しさ倍増だけど。ソファに深く腰を下ろして、座り直す。本はもう閉じてしまった。
「涼しいもの、かき氷……と、虫歯」
「うあー、しみるしみる。違う意味でゾクゾクしてきたわ」
経験がある分とても涼しい。背筋が、ある意味。
「なんだ、姫。温めてやろうか?」
耳元からいい加減離れてしまえ。
そんな事してるから暑いんだって。
「遠慮する、近付くな」
「その割には、さっきから顔が赤いんだがな」
「…………っ」
色んな意味で、沸点です。
(ああ、もうっ! 焼鳥にするわよ)
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夏はギャグ風なのが作りたくなる様です。
次は甘いのかシリアスにしたい。
ってか、CP9夢こんなんばっかりっ!
7月18日 灯亞
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×End