01
ドフラミンゴ/甘
波を切って進む。
その感覚が何だか楽しくて、船首に座ってそれを眺めていた。
自分でも長いなーと思うくらいの髪を潮風が揺らす。船は冬島に近いのか、意外と寒かった。
「フフフッ、よく風邪ひく奴が何やってる。寒いだろ」
「……?」
靴音が響いて、気が付くと肩に掛かっているピンクのモフモフ。
派手な色のそれは、我等が船長兼私の大好きな人のドンキホーテ・ドフラミンゴのコートだった。派手なピンクを着こなす彼は凄いと純粋にそう思う。
「平気。今あったかくなったから」
彼の匂いに包まれる感覚。うん、悪くない。それに暖かい。
自然と笑顔になる。
ったく、海に落ちても知らねぇぞ。と後ろから抱き着きながら耳元で呟くドフラ。
「そうなったら、助けてくれる?」
「フッフッフッ。一緒に溺れてやるよ、姫ちゃん」
首元に顔を埋める彼。
「っ……!」
言い返そうと口を開いたその刹那、首筋に息を吹き掛けられて閉口する。
フフフッと笑いながら、満足げに口元を上げるドフラに体温が上昇。
緋色に溺れる
「次の島に着いたら、姫のコート買わねぇとな」
「ピンクがいいな」
最近はまったので、初夢。まだイマイチ掴みきれていないけど……。
敢えて突き進んでみた結果。
後悔は、してない。
4月22日 灯亞
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×End