小説を詰めていく場所(Log) | ナノ


01


緋鳥/甘甘





「ドフ、ドフッ、外行こ?」

行かない、そう即座に告げると姫はエーッと非難の声を挙げた。

取り敢えず、膨らませている頬を指で押し潰す。
プスーと空気が抜けて、何時ものアホ面に戻った姫。

恨めし気にこっちを見ている。

「フフッ、冗談だ。仕事も終わったし、行くか」

――正直、自分より一回りも離れているコイツに執着している理由が分かんねぇ。

* * *

「あっ、流れ星!」

外に出て、暫くの間空を眺めていた姫が急に声を上げて、手を胸の辺りで組むと目を閉じた。必死で何かをブツブツ言っている。

そう言えば、前に姫が、星にお願い事したら叶う……可能性も無きにしもあらずなんだよ! と言っていた。

「今回はなんてお願いしたんだ?」

「ドフラと一緒にいられますようにっ!」

前も、同じ願い事だった様な気がする。

「フッフッフ、安心しろ。それはおれが叶えてやるよ」

「やったぁ!……あっ、だったら、ドフラのは私が叶えてあげる」

予想外の返事に驚いて姫を見ると、さぁ言えとばかりにこちを見上げていた。

「おれの願い事は、そうだな……お前が居れば叶うなァ」

額を指で弾く。

「だったら、丁度いいねっ!」

少し赤くなった額を押さえながら姫は笑顔でそう言ってのけた。

――嗚呼、こういう無邪気な所に惹かれているのかも知れない。






ベタだ、めっちゃベタベタだ。

そしてドフラさん、ロリコン疑惑が……。いや、違うのです! 私的に彼には少し幼な目の娘が似合うと思う(と言い訳をしてみる)。

5月17日 灯亞

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×End