01
修兵/死ネタ・激甘
"九番隊席官一名殉職"
愛する恋人の死。たった一枚の紙によって伝えられたそれは冗談みたいに突然で、余りに唐突過ぎた。信じられなかった。
「嘘、だろ?」
信じたくなかった。それでも周りの雰囲気がそれを否応が無しに認めさせた。
本当に突然過ぎて涙も出ない。無意識に紙を握り潰す。
紙に載せられた少しの小さな文字がおれと姫の永遠の別れを表していたのが気に食わなかった。
「、副隊長」
部下達の声が後ろから聞こえたが振り返る余裕もない。
「悪い、一人にさせてくれ」
何とかそれだけ言うと、直ぐさま俺は隊舎庭へと飛び出した。
中と外の空気の違いに身震いをする。今の季節は冬。風が容赦無しに吹きすさんでいて、今日が雨だったならば、それは雪へと変わるだろう、そんな気温だ。
頭を冷やすのに調度良い。悠然とそこにあった樹にズルズルともたれ掛かり目を閉じる。
「修兵さん」
――声が、聞こえた。
「、っ……」
次に目を開くと、そこは知らない場所だった。微かに吹く風に桜が舞い、地面には所々に花が咲いた緑の絨毯が敷かれている。
振り返ると姫が居た。
「姫!?」
「はい」
恐る恐る手を伸ばすと姫は、その手を微笑みながらゆっくりと握った。確かに伝わってくる温もり。それは何年もの間、ずっと傍にあったもの。自分が護ろうと思っていたものだった。
「此処は、何処だ?」
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