02
* * *
「前世と現在(いま)の中間のお前、とでもいうのか。とにかく約束したんだ」
「わ、私?」
突然のカミングアウトに目を瞬く。
何処かすっきりとした様子でこちらを見ている修兵さん。何て返事をしたらいいんだろう。勿論、自分の記憶にはない出来事であるけれど、修兵さんにとっては事実であり大切な思い出。何だか、その記憶を共有出来ない自分を酷く残念に思う。
「でも良いんだ。お前はこの世界で幸せなんだろ? 俺が干渉することじゃない」
思い詰めていたのが表情に現れたんだろう。不意に、修兵さんの手が優しく頭の上へと乗った。気にしなくていいんだ、と。仕方ない事なのだ、と。そう囁かれる。
「っ……」
――何処か突き放された様に感じた。
「どうやらお前、霊媒体質の様だから、あっちに連絡しておく。代わりの奴が護ってくれるさ」
何でか分からない。
「何よ……それ。前の私と約束したんじゃないの!?」
分からないのに、凄く悲しい。
「ああ、確かに約束した」
嫌だ。嫌だ。
喉から振り絞る様にして出されたその言葉が、胸に刺さった。何も返すことが出来ない。ただ、深く刺さったその鈍痛に眉を歪めただけ。
――その後、修兵さんが私の前に現れることはなかった。
be continue...
捏造タップリ失礼しました。
死神は死神でない者との結婚は許されておらず、霊力を持たない流魂街の人達とはくっきりと線引きされています設定。
勿論続きます。
8月27日 灯亞.
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