小説を詰めていく場所(Log) | ナノ


02



「あ、ありがとうございます」彼は誇らしげにもう一度鳴くと自分の主人様の方へ戻った。自然と目が彼を追う……と、ルッチさんと目が合ってしまった。ハッとする。一瞬ハットリさんに気を取られてしまっていたが、そういえばルッチさんにぶつかってしまったのだった。

「あの、ごめんなさいっ!」

「任務か?」

急な言葉に驚く。怒られるかと思ったのに、完全にスルーされてしまった。何だか肩透かしな気分だけど、取り敢えず安堵する。

「はい! 大事な、任務、らしく……」

話している途中で、ハットリさんが紙を主人様に持っていく。彼は主人様にそれを渡すと、また誇らしげに鳴いた。胸の小さなネクタイが揺れている。

ひとしきり読んだのかルッチさんがこっちを向いた。

「任務に大事も何もない。与えられたものは確実にこなせ」

「が、頑張ります……」

声が段々と弱々しくなったのを感じたが仕方ないだろう。またプレッシャーが増えてしまったのだ。そんな私を見てルッチさんは鼻で笑った。

「何だ? 自信が無いって顔だな」

「…………」

さすが鋭い、図星だ。
返事に困った。此処で弱音は吐きたくないが、多分というか確実にルッチさんはお見通しだろう。さて、どうしよう。

「CP9が、これくらいできなくてどうする。バカヤロウ」

不意にため息と共に出された言葉に目を見開く。それと一緒に胸が熱くなった。
私がCP9である事を認めてくれている気がしたのだ。私もれっきとして、その一員なんだと。所属しているのだから当たり前、なのではなく、私はもっと確かなものが欲しかった。私という存在を肯定してくれる何か、それをルッチさんは簡単に与えてくれた。何処か自信なくフワフワとしていたのが地面に付いたのを感じる。

――不安なんて、あっさりと消えてしまっていた。








ネタ提供:お友達(仮名Jr.)
題訳:自信が欲しいのです。

……ヒロインさんは要するに、自分に自信が無いコ。でも、鳩さん(ハットリじゃないよ)は何気にヒロインの力をかっていたよ。って話です。


12月18日 灯亞.



End