02
長い様で、短い。
あっという間に放課後になってしまった。
私が並盛(ここ)に居られるタイムリミットは、あと2日。
その中でも、雲雀さんにアタック出来るチャンスは、数回しかないだろう……。
白馬の王子様? 恋のキューピッド? そんなもの当てにする時間なんてないの!
と奮起して、直ぐさま実行しようと思ったんだけど……。
「やめとけって!」
獄寺隼人に止められた。彼は必死に、私の制服を掴んでいる。破れるのが先か、首がシャットダウンされるのが先か……。
振り切る私も必死だ。
「私はやってみせるの! 出来る子なの! ってな訳で、離しなさいー……っいだっ」
そう言い放った瞬間、額に痛みが走った。目の前には壁。
どうやら、奴はいきなり手を放したらしかった。
「離さないでよっ」
直ぐに文句を言ってやると、彼は眉間に皺を寄せながら、どっちだよ! とか叫んでいた。
「姫ちゃん、獄寺くん。一先ず落ち着いてよ」
ツナの言う通りだ。取り敢えず落ち着く、前に額に手を当てる。
タンコブは……何とか出来ていなかった様で、安心した。
「そうだぜ。それに、これ以上、傷を拡げてどうすんだよ。あー、何て言うか……良い思い出だけ持ってけよ、な?」
「そうだよ。姫ちゃんが遠くに行ったとしても、電話とかメールとかするからさ」
背中を優しく摩ってくれる2人。
そんなに私のこと考えていてくれたんだ……。
あっ、なんか感動した。少し泣きそうだ。
………………
……ん?
「ちょっと待て。なんで、私が振られるの前提なのよ」
2人は目を慌てて逸らした。
「もう知らないっ! とにかく、やってみるんだからっっ!!」
←→