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僕と鈴木くん4

転校生を倒されキレた不良くんが、鈴木くんに襲いかかった。
それさえも避けた鈴木くんだったけど、不良くんの手が眼鏡に当たったらしく眼鏡が外れて落ちてしまった。
慌ててそれを拾って鈴木くんを見上げると、

「…………え、」

誰これ、なもの凄い美形が現れた。
呆然と見上げたままでいると、もの凄い美形さんは困ったような表情で笑って「ごめん」と謝った。
なにが?と声に出す前に、同じように倒れたままそれを見ていた転校生ががばりと立ち上がって引っ付いたから理由は分からなかったけど。

「お前!すげー美形だったんだな!鈴木っていうのか?下の名前は!?トラウマがあってそんな暗いカッコしてたんだろ!俺が友達になってやるからもう安心しろよな!」

……ほんと、この子なんなんだろう。
変わり身の早さといい、捲くし立てるように吐いた言葉といい、疑うまでもなく"見た目で判断"してるじゃないか。頬を染めて自分の胸に鈴木くんの腕を抱くようにしてくっつくその姿に、正直かなり引いてしまった。

「うざい。きもい。気持ち悪い」

……うん、気持ちは分かるけど。鈴木くん二回言ってるよ、気持ち悪いって二回言ってるよ!
汚いものを見たような顔で転校生を見下ろした鈴木くんは思い切り腕を振り払い、それでも離れなかった転校生に更に「気持ち悪い」と繰り返した。

「おい、そこのお前。こいつが好きなんだろう?俺は大嫌いだ、いや嫌いなんて感情もないくらい視界に入れたくないしまず触られたところから腐りそうで耐えられない。さっさと引き取れ」

唖然としていた不良くんにうざったそうに言った鈴木くん。はっとして転校生の肩を掴んで引き剥がそうとした不良くんは転校生の「なにすんだよ!最低だ!」の言葉に、再び唖然として固まった。

「ッチ……さっさと駆除に来い」

使えない、と呟いた鈴木くんは携帯を取り出しどこかに電話を掛けた。
一言だけ言って切ってしまったことに、相手は何の話か分かるのだろうかと心配になる。




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