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深夜のモンスター2

「あ、えっと。すいません会長、冗談なのにノリ悪k」

慌てて謝ろうとして立ち上がったら、何故か会長の腕の中。
ねええええホントになんなのどうしちゃったのかいちょーーー!!んでもってもの凄い力で抱き締められてんですけどっ……その細身の身体のどこにこんな力が!?

「かかかか会長!?どうされましたかやっぱり頭打ったんですよねそうですよねなら保健室いや病院行きましょう!会長になにかあったらチワワ達が泣きますよ大泣きですよ会長のっ……!」
「淳也、trick or treat?」

もうなんなの!人が必死に正気に戻そうとしてんのに、壊れたロボットのように同じことしか言わないんだけど超怖ぇよ!!
なるべく顔を見ないように、意外と厚い胸板を見ながらノンブレスで喋ってたらぐきって音がしそうなほど勢いよく顎を掴まれて顔を上げさせられた。
い、痛い……それにどうしたって会長と視線が合ってしまうんですけどチョーつらい。めちゃつらい泣きたい。

「……と、とりーと、で」

これはもう答えなきゃ永遠とこのままな気がして、どもりながら答える。……飲みさしの缶をなんとか見せながら。
お互い無言で、しかも会長は無表情のまま一分は経ったんじゃないかと思う頃。

「…………許してあげるけど、これで終わりなんて思わないように」

器用にも俺を抱き締めたまま缶を受け取った会長は、離れる際にそんな一言と笑顔で頬にキスを残して帰って行った。

……俺、明日から制裁決定じゃないかこれ。たぶん、見られてはないと思うけど絶対なんて言えないし。
キスとか女の子ともしたことないんですけど。初キッス(口じゃないけど)が男って、会長って……。ってか、会長は何がしたかったわけ……怖くて考えられないけどさ。あの飲みさしどうすんだろ……いや飲むんだろ普通。…………怖くて考えたくないっ……!


翌日から会長が夜な夜な部屋に来るようになりました。もう二度とハロウィンの夜に出歩かないことを心に誓います。
……誰か会長引き取りに来てくださいお願いします切実になんでもするから!

「淳也、俺以外に"なんでもする"なんて言ったら駄目だからね。お仕置きするよ?」
「なんで聞こえt……ひいぃっ!ごごごめんなさい……!」

ほんとに誰か、たすけて!



end.

(121031)
ハロウィンだしねってことで。初会長攻がどことなく変態くさくて残念で仕様がない。無表情だったのは「かわいいな」とか「持って帰りたい」とか思ってたからです残念!





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